コウモリのフンの特徴
コウモリのフンには、独特の特徴があるため、ほかの動物のフンと区別することができます。ここでは、見た目・臭い、場所に分けてコウモリのフンの特徴を紹介します。
見た目・臭い
コウモリのフンは黒色または茶色で、乾燥してパサパサしています。大きさは5mmから1cm程度で、細長くよじれた形状をしています。フンの表面は粉っぽく、崩れやすいことがほとんどです。
臭いは、ドブのような嫌な臭いと酸っぱい臭いが混じっているのが特徴です。見た目だけでなく、臭いからもコウモリのフンであることを確認できます。
特に、乾燥したフンが粉状に崩れている様子やその独特の臭いは、コウモリの存在を示す重要な手がかりとなります。
場所
コウモリのフンは、特定の場所に集中して見られることが多く、主に屋外で見つかります。具体的な場所としては、軒先、ベランダ、屋根の下、雨戸、室外機、換気扇などがあげられます。
このような場所にコウモリのフンが落ちている場合、近くにコウモリが住み着いている可能性が高いです。特に、一箇所にフンがまとまっている場合は、コウモリの巣が近くにあると考えられます。
コウモリは夜間に活動するため、昼間ではなく朝にフンを発見することが多々あります。コウモリのフンを発見した場合は、早急に対策を講じることが重要です。
コウモリのフンがもたらす被害
コウモリのフンは一見無害に思えるかもしれませんが、実際には人間の健康や住宅にさまざまな被害をもたらす危険性があります。ここでは、コウモリのフンが引き起こす具体的な被害について詳しく解説します。
健康への被害
コウモリのフンには、さまざまな病原菌、ウイルス、寄生虫が含まれているおそれがあります。これらは人間の健康に重大な影響を与えかねません。乾燥したフンは粉々になりやすく、風に乗って空気中に漂うため、吸い込むことで健康被害を引き起こす可能性があるのです。
例えば、コウモリのフンにはヒストプラスマという真菌が含まれていることがあり、吸い込むとヒストプラスマ症という肺の感染症を引き起こすケースがあります。
また、狂犬病ウイルスやリッサウイルスなど、感染症の原因となるウイルスも含まれていることがあります。いずれも発症すると命に関わる場合もあるため注意が必要です。
そのほか、コウモリのフンに含まれるダニやノミなどの寄生虫が人間に寄生することもあります。皮膚炎やその他のアレルギー反応を引き起こす原因となりかねません。特に、喘息やアレルギーを持つ人にとって、コウモリのフンは大きなリスクとなります。
コウモリがもたらす健康被害については、下記について詳しく紹介しています。
「コウモリはどんな病気を持っている?危険な感染症から身を守るには」
住宅への被害
コウモリのフンは、健康への被害だけでなく、住宅にも重大なダメージを与えることがあります。フンを放置したままの状態だと、独特の悪臭が広がるだけでなく、住宅の構造を腐敗させる原因となります。特に天井や壁にフンが溜まると、シミができるだけでなく、長期間放置することで天井が抜け落ちることもあります。
また、コウモリのフンは酸性が強いため、建材を腐食させることがあります。これにより、木材や金属板が劣化し、住宅の強度が低下することがあります。また、フンに含まれる湿気がカビの発生を促進し、住宅の劣化を加速させることになります。
住宅への被害が大きくなると、住環境が悪化するだけでなく、修繕費用が高額になってしまうため早急な対策が必要です。コウモリのフンを見つけた場合は、専門業者に依頼して適切に除去し、再発防止のための対策を講じることが重要です。
コウモリのフンの掃除方法
コウモリのフンが家の周りに落ちているのを見つけたら、すぐに掃除をすることが重要です。前述したように、フンは健康や住宅に悪影響を及ぼすリスクがあります。
ここでは、コウモリのフンを掃除するときに準備するものと掃除方法について紹介します。
準備するもの
コウモリのフンを掃除する前に、下記の用具を準備しましょう。
・ゴム手袋
・マスク(防塵マスクが望ましい)
・ビニール袋
・消毒用アルコールスプレー
・使い捨ての雑巾やペーパータオル
・ほうき
・ちりとり
掃除方法
ここでは、コウモリのフンを掃除する際の流れを紹介します。
【手順】
1.ゴム手袋とマスクを着用して、直接フンに触れないように準備する
2.ビニール袋を二重にして、ほうきとちりとりでフンを慎重に拾い集める
3.拾い集めたフンをビニール袋に入れ、処分する
4.フンを取り除いた後、残った場所を消毒用アルコールスプレーでしっかりと消毒する
5.消毒後はしばらく放置して、アルコールが完全に乾燥するのを待つ
掃除に使用したゴム手袋やマスク、雑巾、ほうき、ちりとりには病原菌やウイルスが付いている可能性があるため、ゴミ袋に入れて処分することをおすすめします。
このように、適切な掃除と消毒を行うことで、コウモリのフンによる健康リスクを最小限に抑えることができます。家の周りにフンが見つかった場合は、迅速に対処することを心がけましょう。
コウモリの侵入を防ぐ方法
コウモリの侵入を防ぐことは、フンによる被害を防止するために重要です。ここではコウモリの侵入を防ぐための効果的な方法を紹介します。
忌避剤を使う
忌避剤を使うことで、コウモリを追い出し、寄せ付けなくすることができます。コウモリは鳥獣保護管理法で守られているため、捕獲や殺傷は禁止されています。忌避剤であれば、コウモリを殺傷することなく駆除できるため、安心です。
燻煙剤タイプやスプレータイプは、コウモリを追い出す際におすすめです。使用することで、コウモリが居心地の悪い環境を作り出すことができます。ジェルタイプの忌避剤を置いておくことで、そもそもコウモリが寄り付かない環境を維持することが可能です。
ただし、忌避剤が効かない場合もあるため、ほかの方法を併用することも検討してください。
侵入経路を塞ぐ
コウモリの侵入を防ぐためには、まず侵入経路を特定し、塞ぐことが重要です。コウモリはわずか1cmほどの隙間でも侵入できるため注意が必要です。
対策を講じる際は、下記の場所をチェックして侵入経路になり得ないか確認しましょう。
・室外機の配管の隙間
・通気口や換気口
・屋根と壁の隙間
・雨戸の戸袋
確認してフンが落ちている場所を特定することで、侵入経路を見つける手助けになります。侵入経路を見つけたら、金網やシーリング材、防鳥ネットなどを使ってしっかりと塞ぎましょう。
コウモリの侵入を防ぐためには、忌避剤の使用と侵入経路の封鎖を組み合わせて行うことが有効です。
まとめ
コウモリのフンには病原菌や寄生虫が含まれており、吸い込むと健康被害を引き起こすおそれがあります。また、フンが住宅の構造を腐食させることもあり、修繕費が高額になることもあります。
独特の見た目と臭いで発見しやすいので、発見した場合はすぐに掃除と消毒を行い、侵入経路をしっかりと封鎖することが重要です。
ご自身でフンの掃除やコウモリの侵入対策をするのが難しい場合は、プロの駆除サービスを活用するのも有効な手段です。まずは専門家に相談し、安全な環境を確保しましょう。
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