ハクビシンの侵入はネットで対策できる?
実際のところ、ネットだけでハクビシンの侵入を完全に防ぐのはとても困難です。
ハクビシンは知能が高く、運動能力も優れているため、単純にネットを設置しただけでは簡単に突破されてしまいます。木登りが得意で、1.5メートルほどの高さなら軽々とジャンプして乗り越えてしまいますし、鋭い爪と歯でネットを噛み切ったり破ったりすることも可能です。
さらに、ハクビシンの侵入経路は1つだけではありません。地面際から高所まで、あらゆる場所から侵入を試みるため、ネットだけでは対応しきれないのが現実です。
そのため、ネットを使用する場合は、忌避剤や電気柵といった他の対策方法と組み合わせて使用することが重要になります。ただし、ネットの設置方法を工夫し、適切に使用すれば、まったく効果がないわけではありません。
ネットを使ってハクビシンの侵入を防ぐ方法
ここからは、ネットを使用してハクビシンの侵入を防ぐ効果的かつ具体的な方法について解説します。
侵入口をネットで塞ぐ
屋内への侵入を防ぐという点において、ネットは有効な手段となります。特に換気口や雨どいなど、完全に塞いでしまうと機能に支障をきたす場所には、ネットが最適な解決策です。
換気口からの侵入を防ぐ際は、通気性を確保しながらハクビシンの侵入を阻止する必要があります。ネットの目の大きさは5mm以下の物を選びましょう。ハクビシンは体が柔らかく、小さな隙間でも通り抜けられるためです。
ネットの固定も重要なポイントです。ネットがたるんでいたり、端が浮いていたりすると、そこからハクビシンに侵入されてしまいます。しっかりとした金具やワイヤーを使用して、隙間が生じないよう確実に固定しましょう。
ネットを埋め込む
畑や庭などの屋外エリアへのハクビシンの侵入を防ぐには、柵とネットを組み合わせた対策が効果的です。
ハクビシンは穴を掘ることも得意なため、単に柵を設置しただけでは、柵の下を掘って通り抜けてしまいます。この問題を解決するのが、ネットの埋め込み設置です。
具体的な方法として、柵の下端から地面に向かってネットを延ばし、地中に約20cm程度埋め込みます。この深さが重要で、20cm程度埋め込むことで、ハクビシンが掘ろうとしても簡単には通り抜けられなくなります。
ネットは腐食しにくい金属製や耐候性プラスチックなどの素材を選び、ペグや杭でしっかりと地面に固定することがポイントです。
ネットで返しを作る
ネットの応用として「返し構造」を作るのも有効な手段のひとつです。これは柵の上部にネットを内側や外側に折り曲げて取り付け、ハクビシンがよじ登っても乗り越えられないようにする工夫です。
ハクビシンは体が柔らかく、器用に登るため、通常の垂直な柵では簡単に突破されてしまいます。しかし、上部に“返し”があると足場が不安定になり、乗り越えるのを諦めるケースが多くなります。
この返し構造を作る際は、ネットが風や雪で破損しないよう、金属製の丈夫な素材を選びましょう。また、柵全体の高さを1.5m以上に設定することで、ジャンプでの突破も防ぎやすくなります。
少し手間がかかりますが、その分、侵入防止効果は高いため、おすすめの方法です。ただし、風や雪などで壊れてしまう場合もあるため、定期的なメンテナンスが必要です。
ネットとともにしておきたい対策
ネットだけでハクビシンの侵入を防ぐのは難しいため、ネットと併用したい他の対策方法について解説します。
電気柵を使用する
電気柵は触れると電気が流れる柵で、ハクビシン対策において高い効果を発揮します。物理的なバリアとしてだけでなく、心理的なバリアとしても機能し、一度電気ショックを経験したハクビシンは近づこうとしなくなります。
ハクビシン対策では、鼻先に電気ショックを与えるため、地面から10cm間隔で2〜3段に設置する方法が一般的です。また、ネットとの組み合わせでは、地面から40cm程度の高さにネットを設置し、その3cm上に電気柵を1段張る方法も効果的です。この方法は電気柵が雑草で漏電しにくく、雑草管理の手間を減らしたい方におすすめです。
ただし、電気柵の使用には適切な電流の強さや設置間隔など専門的な知識が必要です。また、消防法により届け出が必要な場合があり、危険表示の設置も義務付けられています。ペットや子供が触れないよう十分な注意と配慮も欠かせません。使用前には必ず安全確認を行いましょう。
参考:
経済産業省「電気さくの正しい設置方法」
農林水産省「鳥獣による農作物等の被害の防止に係る電気さく施設における安全確保について」
忌避剤を使用する
忌避剤は、ハクビシンが苦手とする匂いや成分を使用した対策グッズで、ネットと組み合わせることで相乗効果が期待できます。ハクビシンは嗅覚がとても優れているため、忌避剤の刺激臭に敏感に反応します。
ハクビシンが特に嫌がる匂いは次のとおりです。
・ニンニク
・唐辛子
・石油系の匂い
・天敵の匂い(狼やアライグマ、フクロウなど)
・木酢液(もくさくえき)
重要なポイントは、匂いに慣れさせないことです。ハクビシンは学習能力が高く、同じ匂いに長期間晒されると慣れてしまい効果が薄れます。そのため、一定期間ごとに異なる種類の忌避剤をローテーションで使用するのが効果的です。
また、風雨によって効果が消失しやすいため、定期的な散布や交換を行います。特に屋外での使用では、雨上がりには必ず効果を確認し、必要に応じて再散布を行いましょう。
忌避剤の効果的な使用方法は以下の記事にて詳しく紹介しているため、ぜひご覧ください。
「ハクビシン対策にハーブは有効?苦手なニオイや効果的な使い方を詳しくご紹介」
木を剪定する
家屋に近い場所にある高い木は、ハクビシンの侵入ルートとなります。木登りが得意なハクビシンは、枝を伝って屋根や壁に到達し、そこから家屋内に侵入するケースが多いためです。
対策として、屋根から2メートル以内にある枝は切り落とすことをおすすめします。これはハクビシンのジャンプ力を考慮した距離で、この範囲内にある枝があると容易に屋根に移動できてしまいます。
果樹などの場合は、幹の根元から2メートル程度の高さまでネットやトゲ付きのシートを巻くことで、ハクビシンが木に登るのを防げます。また、剪定作業はハクビシンの活動が活発になる春から秋にかけて行うのが効果的です。
エサになるものを放置しない
ハクビシンが敷地内に寄り付く最も大きな原因は「エサの存在」です。生ゴミ、落ちた果実、収穫後に残された野菜、食べ残しなどを屋外に放置しておくと、それを求めて何度もやって来るようになります。
ゴミは必ずフタ付きの容器に入れて保管し、前日から出すのではなく収集当日に出すよう心がけましょう。畑では摘果した実や落ち葉なども片付け、敷地全体を清潔に保つことがハクビシンを遠ざけます。
ハクビシン被害に遭った際はがいじゅうZEROにご相談ください
ネットや柵で対策をしても、侵入経路が分からないと意味がありません。素人だと複数の侵入経路を探すのは難しく、イタチごっこになりがちです。
がいじゅうZEROならプロの知識で侵入経路を特定し、適切に対策します。相談から調査見積り、駆除作業まで、仲介業者を挟むことなく自社で行っているため、スピーディーに駆除することが可能です。
徹底した施工で再発リスクを防ぐため、最長10年間の保証付きです。ハクビシンの被害でお困りの際は、ぜひがいじゅうZEROまでお気軽にご相談ください。
まとめ
ハクビシン対策において、ネット単体では完全な効果は期待できませんが、適切な使用方法により一定の効果を得られます。侵入口の封鎖、埋め込み設置、返しの設置など用途に応じた使い分けが重要で、電気柵や忌避剤との組み合わせでより高い効果が期待できます。根本的な解決には専門業者への相談もご検討ください。