害獣駆除で利用できる補助金とは?
それでは、具体的な事例も含めて、自治体が設けている害獣駆除の補助金制度の内容を見ていきましょう。
補助金の対象者
一般的に、補助金の支給対象はその自治体に住んでいる住民に限定されます。この場合、その自治体で所有している畑で被害が出ても、住所地が別の市町村の方は補助金がもらえません。
逆に、住所によらず、自治体内で農業や林業を営むことを支給の条件としているケースもあります。自治体の規定によって対象が異なるので、お住まいの自治体で確認してください。
<対象者の一例>
自治体 | 補助金の対象者 |
神奈川県足柄下郡箱根町 | 次の要件にすべてあてはまる方
・町内に住居または敷地を所有している ・設置した防止柵を適正に維持できる ・町税などの滞納がなく、暴力団員でない |
茨城県常陸大宮市 | 次の要件にすべてあてはまる方
・市内で農地を所有または耕作している ・市内に住所がある ・市税などの滞納がない |
大分県大分市 | 害獣被害を防ぐために防護柵を設置する個人や団体 |
補助金の対象となる費用
自治体の補助金は、害獣駆除に必要な設備、器具の購入費用の一部を充当するのが一般的です。対象となる費用は自治体によってさまざまなので、事前にチェックしておきましょう。
<費用の一例>
自治体 | 補助金の対象費用 |
神奈川県足柄下郡箱根町 | 設置費用を除く以下の防止柵の購入費
・ポール、電線、バッテリーを含む電気柵 ・杭を含むトタンなど板による柵 ・杭を含む網や金網柵 ・そのほか、防止柵と同等の効果があると認められるもの |
茨城県常陸大宮市 | 防護柵等を設置する際の資材購入費用 |
大分県大分市 | 以下の防護柵の購入費
・30m以上の電気柵 ・500m以下の鉄線柵 ・500m以下のトタン柵 ・500m以下の複合柵 |
補助金でもらえる金額
補助金の支給金額は、対象となる設備の購入費の半額程度が目安です。金額も各自治体で確認しておきましょう。1年に1回補助金の申請ができる自治体もあれば、次年次以降は補助金をもらえない市町村もあり、さまざまです。
<補助金支給の一例>
自治体 | 補助金の支給額 |
神奈川県足柄下郡箱根町 | ・個人は2万円を上限に購入費用の2分の1まで
・自治会は3万円を上限に購入費用の3分の2まで ・事業者は2万円を上限に購入費用の3分の1まで |
茨城県常陸大宮市 | ・個人は5万円を上限に資材購入費用の2分の1まで
・団体は1人あたり3万5千円を上限に、資材購入費用の2分の1まで |
大分県大分市 | ・上限の範囲で資材購入費の3分の2または2分の1まで
・サル用防護柵の場合は5分の4または2分の1まで |
参考:
「有害鳥獣被害対策の補助などについて」(神奈川県足柄下郡箱根町)
「有害鳥獣被害防止対策設備購入補助金」(茨城県常陸大宮市)
「鳥獣被害対策の補助事業のご案内」(大分県大分市)
補助金の対象となる害獣
基本的に、補助金の支給対象になる害獣は畑の食害を引き起こす野生鳥獣です。種類が限定されているので、あらかじめ自治体で確認しましょう。補助金の支給対象となる代表的な害獣は、次を参考にしてください。
・イノシシ
・シカ
・サル
・ハクビシン
・アライグマ
・カラス など
補助金をもらうための手続き
害獣の駆除で補助金をもらうためには、自治体に申請が必要です。申請時には、次のようなさまざまな書類の提出が求められます。
・補助金の交付申請書
・事業計画書
・報告書
・購入費の領収書の写し
・防護柵の位置図
・駆除した鳥獣の写真 など
提出期限やタイミングも自治体によって異なるため、申請の流れについても事前に確認しておきましょう。
害獣駆除では補助金以外に報奨金が出るケースもある
防護柵を設置する際の補助金だけでなく、報奨金制度を設けて積極的に害獣駆除を推奨している自治体もあります。報奨金は害獣を捕獲、殺処分した際に1頭あたりに支給されるもので、自治体や害獣の種類によって金額に差があります。
<報奨金の一例>
害獣の種類 | 報奨金 |
ハクビシン | 1,000~3,000円 |
アライグマ | 1,000~5,000円 |
イノシシ | 5,000~15,000円 |
サル | 10,000~30,000円 |
自治体によっては、申請時に害獣の耳や尻尾、駆除の様子を撮影した写真、鳥獣捕獲活動書といった書類等の提出が求められるので、事前に確認しておきましょう。
害獣駆除は誰でもできる?
自分が所有する土地や畑に防護柵を設置して被害を防ぐ分には問題がないものの、害獣を捕獲して駆除するには、事前に許可が必要です。誰でもできるわけではありません。
ここでは、害獣駆除に必要な資格や手続きについて紹介します。
害獣駆除には免許が必要
害獣を捕獲、殺処分するには、自治体からの許可が必要です。駆除できる期間を制限している地域もあるので、確認しておきましょう。許可を受けていないとき、許可はあっても期間外に害獣を駆除すると、鳥獣保護法違反で処罰の対象になる可能性があります。
また、害獣を捕獲するのには狩猟免許が必要です。狩猟免許は捕獲手段にあわせて、次の4種類に分かれています。
・網を使う場合は「網猟免許」
・罠を使う場合は「わな猟免許」
・銃器を使う場合は「第一種銃猟免許」
・空気銃を使う場合は「第二種銃猟免許」
害獣駆除のための免許を取る方法
狩猟免許は、筆記試験や技能試験に合格すれば取得できます。試験は狩猟免許の種類ごとに異なり、合格率は80~90%ほどです。
また、年齢や病歴などの適性試験をクリアすることが大前提です。お住まいの都道府県で狩猟免許申請書を提出すれば、試験を受けられます。
害獣駆除は猟友会への入会が基本
狩猟免許と許可があれば、個人でも害獣を駆除できます。とはいえ、初年度や免許取得後数年は地元の猟友会に入会して、指導を受けるのが基本です。
入会すれば必要書類の作成や提出代行、駆除のための研修会、狩猟用火薬の無許可譲受を受けられるなど、さまざまなメリットがあります。
害獣駆除の補助金を利用できない人が費用を抑える方法
害獣駆除の許可や狩猟免許がない方、補助金の対象外の場合は、専門業者へ依頼するのがおすすめです。とはいえ、「業者に頼むと費用がかかる」と迷っている方は多いのではないでしょうか。業者選びでできるだけ費用を抑えるポイントを見ていきましょう。
現地調査・見積もりが無料の業者を選ぶ
費用をできるだけ抑えたいときは、現地調査や見積もりが無料の業者を選びましょう。無料で見積もりを出してもらえれば、複数の業者と比較ができます。
見積もりの内容が不満でお断りしても、キャンセル料金がかからないので安心です。
あらかじめ予算を伝えて見積もりを出してもらう
業者に依頼するときにあらかじめ予算を提示しておくのも、費用を抑えるのに有効です。予算内でできるサービスを提案してもらえるので、余計な費用がかかりにくい傾向があります。
遠慮せずに希望を伝えて、見積もりを出してもらいましょう。
早めに業者へ相談する
害獣の出没が長引くと被害が広がり、その分駆除費用がかさんでしまう傾向があります。個体数が増えるとさらに被害が拡大するので、自力で駆除できない場合は早めに業者に依頼することが大切です。
害獣駆除のプロ「がいじゅうZERO」では、早期解決、スピーディーな対応をモットーにしています。現地調査や見積もりに費用はかかりません。エリアの特徴を理解した対処で再発防止にも自信があるので、害獣にお困りなら、どうぞお気軽にご相談ください。
まとめ
家屋や農作物に被害を与える害獣を駆除すると、自治体によっては補助金の支給が受けられます。対応は各市町村によって異なるので、被害対策に有効活用してください。
とはいえ、害獣を自力で駆除するには手間や費用がかかります。捕獲には危険がともなうので、安全かつスピーディーな駆除を目指すなら、専門業者への依頼を前向きに検討しましょう。