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壁の中からカリカリ音が聞こえる正体はネズミ?
壁の中から聞こえるカリカリ音の正体は、ネズミである可能性が高いでしょう。ネズミは常生歯(じょうせいし)といって、生きている間伸び続ける歯をもっています。
歯が伸びすぎると、皮膚に刺さったり歯が邪魔で食事が取れなくなったりするため、こまめに削らなくてはなりません。
そのため、ネズミは繊維の多く硬い食物や枝などをかじるのですが、屋内に棲み着いた場合は、建物の柱や配線などをかじることがあります。そうしてネズミが柱や配線などをかじっている音が、「カリカリ」と響いてくるのです。
カリカリ聞こえる場所によってネズミの種類は異なる?
家に棲み着くネズミにはいくつかの種類があります。主に、ハツカネズミ、ドブネズミ、クマネズミの3種で、それぞれ特徴が異なります。ここでは、カリカリ音がする場所ごとにネズミの種類や駆除方法を解説します。
天井の壁からカリカリと音がする場合
天井からのカリカリという音は、クマネズミによるものである可能性があります。クマネズミは体長が14~20cmほどで、灰色や黒色の毛色をしており、耳が小さいのが特徴です。寒さに弱いため、屋根裏などの気温が高い場所に巣を作ります。
屋根裏を寝床にする場合は、木材や断熱材などをかじって巣を作ります。屋根裏を移動する際は、換気扇や屋根の隙間などを通ることが多いため、そのあたりからカリカリと音がする場合は要注意です。
クマネズミは、屋根や天井に穴を開けてしまうだけでなく、屋根裏の配線や電線などをかじるため漏電などの被害が発生する危険性もあります。
壁のなかからカリカリと音がする場合
壁の中からカリカリと音がする場合は、クマネズミか、小型のハツカネズミである可能性があります。ハツカネズミは5~10cmほどの小型のネズミで、毛色は灰色や黒で耳が大きいのが特徴です。狭い場所を好むため壁の中で巣を作ることもあります。
ハツカネズミは、壁の中の断熱材を通って移動するため、壁のすぐ裏のあたりからカリカリと音がしたらハツカネズミの可能性があります。壁の中にハツカネズミが好む狭い場所がなければ、クマネズミが巣を作っているかもしれません。
床下からカリカリと音がする場合
床下からカリカリという音がする場合はドブネズミを疑いましょう。ドブネズミは体長が18~26cmもある大型のネズミで、毛色は黒か茶色が多く、大きな耳としっぽが特徴です。ドブネズミは地上性のネズミで、床下に巣を作ります。
床下の基礎や土台の隙間、下水管などを通って移動します。床下の断熱材や木材などを集めて巣を作るので、床下の配管や基礎などをかじって、家に大きなトラブルを引き起こす可能性もあります。
ネズミ以外の可能性もある
住宅に侵入して音を立てる動物はネズミ以外にも存在します。ここでは、ネズミ以外の可能性がある害獣を紹介します。
ハクビシン
ハクビシンは、家の天井裏や壁の中に侵入することがある哺乳類です。足音や鳴き声、糞尿、臭いなどの被害が出ることがあります。「キッキッ」という特徴的な鳴き声なので、この鳴き声が聞こえたらハクビシンを疑いましょう。
イタチ
イタチは小型の動物です。家や車の中に入ってくることがあります。噛みついたり、糞尿をまき散らしたりするおそれがあるので注意しましょう。
アライグマ
アライグマはタヌキよりも少し大きい哺乳類です。家や車の中に侵入することがあります。噛みついたり、悪臭を放ったりするおそれがあるので、注意しましょう。「クルルル」と鳴き声がしたらアライグマかもしれません。
なぜネズミが壁のなかに入るのか?
ネズミはなぜ壁の中に入るのでしょうか。ここではネズミが壁の中に入る3つの理由を紹介します。
エサを探す
ネズミは、食べ物を探すために家の中に侵入します。ニオイに敏感であるため、穀物や果物、肉や野菜など、ネズミの好きな食べ物のニオイがするとすぐに家の中に入ろうとするのです。
ネズミは1.5cmほどの隙間があれば簡単に家の中に侵入できます。人間が住む家はネズミにとっては隙間だらけで侵入しやすく、エサがあることもわかっているため、棲み着いてしまいます。
ネズミが好む食べ物については、下記の記事で詳しく解説しています。
「ネズミが好む食べ物とは?食べ物に関する被害を抑える方法を紹介」
繁殖のために巣を作る
家の中は、繁殖に適した環境が整っています。外よりも暖かく、巣の材料になる木材や紙類などがたくさんある理想の環境です。ネズミは繁殖力が非常に高いため、一度侵入と巣作りを許してしまうと、たちまち家の中で増えてしまいます。
ネズミの繁殖期については、下記の記事で詳しく解説しています。
「ネズミの繁殖期はいつ?対策は先回りで行おう!」
天敵から逃れる
ネズミにとって、ネコやハクビシンなど野生にいる哺乳類は天敵です。家の中に逃げれば、天敵から身を守ることができるため、家の壁の中に隠れてしまいます。
ネズミの天敵については、下記の記事で詳しく解説しています。
「ネズミの天敵とは?ネズミが苦手なものについても紹介」
壁の中にいるネズミを放置するリスク
カリカリ音の正体がネズミの可能性が高いといわれても、どこにいるのか、どう対処したら良いのかわからないので放置するしかないと思う方もいるでしょう。しかし、家に棲み着いたネズミを放置することには、さまざまなリスクがあります。
家にいるネズミの数が増えてしまう
家に棲み着くネズミには、ハツカネズミ・クマネズミ・ドブネズミなどがいますが、どのネズミも非常に繁殖力が高く、短期間で数が増えます。
1年間で5~10回ほど出産し、1度の出産で5~8匹ほどの子どもを産むので、初めは2匹だったとしても1年後には数十匹に増えているでしょう。
もちろん死んでしまうネズミもいますが、ネズミの平均寿命は1~3年ほどあります。そのため増えるスピードのほうが速いことが多く、放置するほどどんどん数が増えてしまうのです。
衛生面でのリスクがある
ネズミは以下のような危険な病原菌や、ノミ・ダニを保有している個体が多くみられます。そのため、放置するとアレルギーや感染症を発症する可能性があり、衛生面でのリスクが高まるのです。
・サルモネラ菌:食中毒の原因となる菌。腹痛・嘔吐・下痢などの症状を引き起こす
・レプトスピラ菌:レプトスピラ症の原因となる菌。軽症の場合は風邪のような症状で治るが、重症化すると腎障害を引き起こすことがある
・ハンタウイルス:ハンタウイルス肺症候群の原因となるウイルス。発熱・呼吸困難などの症状が出て、最悪の場合死亡する可能性もある
家財への被害がある
ネズミは硬い物をかじって歯を削る必要があるので、家に棲み着かれると柱や壁、配線、家具などがかじられることがあります。
建物が傷んでしまうだけでなく、かじられた配線から漏電したり火災が起こったりするおそれもあり大変危険です。
壁や家にネズミがいるか確かめる方法
ネズミを放置すると、衛生面に問題が出たり建物が傷んだりします。しかも、放置するほど数が増えて被害が拡大する可能性が高いため、早急に対処することが重要です。
しかし、壁の中からカリカリ音がしたからといって、絶対にネズミが棲み着いているとはいえません。
ネズミだと思い込んでいたら、実はネズミ以外の何かが原因だったということもあるでしょう。そこで、カリカリ音の正体がネズミなのかどうかを確かめる方法を紹介します。
黒っぽい汚れ
カリカリ音の正体がネズミなのかを調べたいときは、壁や部屋の隅に黒っぽい汚れがついていないかをチェックしてみましょう。
ネズミは壁際や部屋の隅に沿って移動する習性があります。また、何度も同じ場所を通るので、ネズミの体表の脂や汚れが壁に付着して、黒っぽくなっていくのです。ネズミは移動しながら排泄するため、糞尿がついていることもあります。
また、部屋の中のホコリっぽいところに、ネズミの足跡が残っていないかを確認するのも重要です。ネズミの足跡については、下記の記事にて詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
「ネズミの足跡はどんなもの?ラットサインの見つけ方や対処法を解説」
鳴き声や足音
ネズミが壁の中にいる場合は、カリカリ音だけでなく、鳴き声や足音が聞こえることがあります。「キィキィ」と高い鳴き声や、「トトトト」「カサカサ」と動き回る音が聞こえないかを確認しましょう。
ただし、コウモリ・イタチ・ハクビシンなど、ネズミと間違いやすい鳴き声の害獣がいる点に注意が必要です。
鳴き声とともに羽音が聞こえる場合は、ネズミではなくコウモリが棲み着いているかもしれません。「キシキシ」と擦れるような音や素早い足音が聞こえる場合は、イタチの可能性が疑われるでしょう。ハクビシンはネズミよりもかなり重いので、足音も大きくなります。
棲み着いた害獣の種類に応じた対策を取らないと、思うような効果が得られないので、何が棲み着いているのかをしっかり確認しましょう。
ネズミがかじった跡
黒っぽい汚れや足跡などとともに、壁や柱、配線、家具などにかじられた跡が残っている場合は、壁の中にネズミがいる可能性が高いでしょう。
ネズミの鳴き声と間違いやすいコウモリ・イタチ・ハクビシンは、げっ歯類ではありません。そのため、ネズミ以外の害獣が棲み着いている場合は、壁や柱などにかじられた跡は見つからないことが多いのです。
壁の中のネズミは自分で駆除できる?
殺鼠剤や粘着シートなどの市販の駆除グッズを使えば、自分で壁の中のネズミを駆除できます。しかし、ネズミは短期間で何十匹も増える動物です。自力で駆除しようとしても、繁殖スピードが速すぎて追い付かないことがあるでしょう。
また、殺鼠剤を使用し、壁の中や天井裏などでネズミが死んだ場合、死体を回収しないと蛆が湧いたり悪臭がしたりします。忌避剤で追い出す方法もありますが、効かないことも多いので、殺鼠剤や忌避剤はあまりおすすめできません。
このようにネズミを自力で駆除するのは難しいため、自分でできるのは予防程度と考えておいたほうが良いでしょう。
ネズミを自宅に棲み着かせないための対策
1度ネズミに棲み着かれると駆除するのが大変なので、日頃からネズミに棲み着かれないよう対策することが大切です。
ネズミは食料や快適な住処を求めて侵入してくるので、餌や巣材になりそうな物を片付けるなどして、ネズミが棲みにくい環境を整えましょう。
壁の亀裂にネズミが棲み着いてしまっている場合は駆除を優先しましょう。
壁の中のネズミを駆除するなら業者に依頼しよう
ネズミが棲み着かないように対策しても、人間では気づけないような隙間から侵入し、棲み着いてしまうことがあります。
自力でネズミを完璧に駆除するのは難しく、何とか駆除できたとしても、侵入経路をしっかり塞がないと再発してしまうでしょう。
死体を回収する精神的負担や、うっかりネズミに触ってしまって病気にかかるリスクもあるので、ネズミの駆除は業者に任せるのがおすすめです。
ネズミの被害にお困りなら、がいじゅうZEROにぜひご相談ください。がいじゅうZEROなら、ネズミの駆除作業から清掃・消毒、再発防止対策まで、すべてお任せいただけます。
何の害獣が棲み着いているのかわからなくても、害獣の特徴や習性を把握しているスタッフが調査して駆除するので問題ありません。お見積り・ご相談・現地調査などはすべて無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
壁の中から聞こえるカリカリ音の正体は、ネズミである可能性が高いです。しかし、別の害獣が棲み着いているケースもあるので、適切に対処するためにも、今回紹介したほかの害獣の特徴も考慮しながら、本当にネズミなのかどうかをチェックしましょう。
ネズミが棲み着いているとわかった場合は、放置すると健康面や家財に被害が出るリスクがあるため、早めに駆除することが大切です。ただし、自力での駆除は難しいので、できればプロの駆除業者に依頼したほうが良いでしょう。