コウモリの赤ちゃんを見つけたらどうする?保護の方法やリスクを紹介

家の周りでコウモリの赤ちゃんを見つけて、どうすべきか悩んでいませんか。小さくて無力な姿を見ると、つい保護してあげたくなりますね。しかし、コウモリの赤ちゃんを発見した際は、まず「触れずに対処する」ことが重要です。今回は、コウモリの赤ちゃんを見つけた時の正しい対処法と注意点について詳しく解説します。


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コウモリの赤ちゃんを見つけたら触れてはいけない!その理由は?

家の周りでコウモリの赤ちゃんを発見した場合、最初に知っておくべき重要なことは「絶対に素手で触れてはいけない」ということです。小さくて弱々しい姿を見ると、つい手を差し伸べたくなる気持ちもわかりますが、まずはひとまず様子を見ることをおすすめします。

コウモリの赤ちゃんに触れてはいけない理由は主に2つあります。それぞれ詳しく解説しましょう。

理由1:病原菌を持っているため

コウモリは、さまざまな病原体を保有している動物として知られています。直接触れることで、コウモリの持つ病原体から感染症にかかるリスクが非常に高くなります。

赤ちゃんコウモリであっても、成体と同様に病原菌を保有している可能性があるため、注意が必要です。

コウモリが保有する可能性のある数々の病原体のなかで、日本国内のコウモリに関係していると思われるものは、サルモネラ症、ヒストプラズマ症などです。これらの病原体に触れた人は、ときに重篤になる場合があります。

また、コウモリには病原体だけでなく、ノミやダニなどの寄生虫も付着しています。これらの寄生虫も人間に感染症を媒介する可能性があり、皮膚炎やアレルギー反応を引き起こすこともあります。

コウモリの持つ病原体については、こちらで詳しく解説しています。
コウモリはどんな病気を持っている?危険な感染症から身を守るには

理由2:鳥獣保護管理法で守られているため

コウモリは、鳥獣保護管理法によって保護されている野生動物です。鳥獣保護管理法は、野生動物の保護と適切な管理を目的とした法律であり、保護対象となっている動物に対しては、無許可での殺傷や捕獲が禁止されています。

そのため、たとえ善意であっても、コウモリの赤ちゃんを勝手に捕獲して保護することは、法律違反になる可能性があるのです。

また、違反した場合には罰則が科せられる可能性もあるため、慎重な対応が求められます。

コウモリの赤ちゃんを保護する際に知っておくべきこと

どうしてもコウモリの赤ちゃんを保護してあげたい場合は、一時的に保護することが可能です。ただし、自宅で保護をする場合は、コウモリの赤ちゃんが回復するまで適切に面倒を見てあげる必要があります。

保護する際には、以下の重要なポイントを押さえておく必要があります。

食べ物

コウモリの赤ちゃんを保護する際は、適切な餌と水分の提供が不可欠です。餌としては、ミールワームが最も適しています。ミールワームは釣り具店やホームセンターなどで入手可能で、コウモリの自然な餌に近い栄養価を持っています。

餌を与える際は、割りばしやピンセットなどを使って、赤ちゃんコウモリの口まで慎重に持っていきます。直接手で触れることは避け、道具を使って安全に給餌することが重要です。最初は餌を食べることを嫌がる場合もありますが、根気よく続けましょう。

水分補給については、水や小動物用のミルクなどをスポイトで口元に持っていく方法が効果的です。コウモリの赤ちゃんは脱水症状を起こしやすいため、定期的な水分補給は欠かせません。ただし、一度に大量の水分を与えると誤嚥の危険があるため、少量ずつ様子を見ながら与えるようにしましょう。

飼育場所

コウモリの赤ちゃんを保護する場合、飼育場所の選択は非常に重要です。屋内での飼育は感染リスクが高いため、必ず屋外で飼育するようにしてください。屋内で飼育した場合、コウモリが保有する病原菌が室内に拡散し、家族全員が感染症のリスクにさらされる可能性があります。

屋外での飼育場所は、直射日光が当たりすぎず、雨風を避けられる場所を選びます。適度な通気性があり、温度変化が激しくない場所が理想的です。また、他の動物に襲われる危険がない、安全な場所を確保することも重要です。

保護するときの服装

コウモリの赤ちゃんを保護する際は、適切な防護服を着用することが絶対に必要です。素手で赤ちゃんに触ることは絶対に避け、必ず軍手を着用してください。また、呼吸器からの感染を防ぐため、マスクの着用も欠かせません。

可能であれば、長袖の服装と長ズボンを着用し、肌の露出を最小限に抑えることをおすすめします。保護作業後は、使用した軍手やマスクは適切に処分し、手や顔をしっかりと洗浄することが重要です。

保護した後はどうする?

コウモリの赤ちゃんを保護した後は、野生に戻すか、自治体の保護窓口に相談することが適切な対処法です。ペットとして飼うことは、法律で禁止されています。

赤ちゃんコウモリが十分に回復し、自力で飛行できるようになったら、発見した場所の近くで野生に戻してあげましょう。ただし、回復の判断が難しい場合や、適切な対処に不安がある場合は、地域の自治体や野生動物保護団体に相談することをおすすめします。

【注意】コウモリの赤ちゃんがいる場合は巣が近くにある可能性も

コウモリの赤ちゃんを発見した場合、その周辺に親コウモリの巣が存在する可能性が非常に高いことを理解しておく必要があります。自宅にコウモリの巣がある場合、さまざまな深刻な被害が発生する可能性があるため、早急な対処が必要になります。

コウモリが家に棲み着いてしまった場合の対処法については、以下の記事をご覧ください。
コウモリが家に棲み着いてしまった!棲み着いた場合の対処法も紹介

糞尿被害

コウモリの巣がある場合、最も深刻な問題のひとつが糞尿被害です。コウモリのフンからは強い悪臭が発生し、生活環境を著しく悪化させます。この悪臭は時間が経つにつれて強くなり、家全体に拡散していきます。

さらに、コウモリの糞尿は、ゴキブリやハエ、ダニやノミなどの二次的な害虫を呼び寄せる原因となります。これらの害虫は衛生面での問題を引き起こすだけでなく、アレルギー反応や皮膚炎などの健康被害をもたらす可能性もあります。

騒音被害

コウモリによる騒音被害も深刻な問題です。

コウモリ特有の高周波の鳴き声や、羽ばたく音が家の中に響き渡り、特に夜間の安眠を妨げる深刻な問題となります。コウモリは夜行性のため、人間が眠ろうとする時間帯に最も活発になり、騒音が激しくなります。

鳴き声や羽音による騒音で慢性的なストレスを感じるようになり、睡眠不足や疲労の蓄積につながる可能性があります。長期間この状況が続くと、健康面への悪影響も懸念されます。

健康被害

コウモリは多くの病原菌や寄生虫を保有しているため、巣が近くにある場合は常に健康被害のリスクにさらされることになります。

直接触れたり噛まれたりしなくても、空気中に拡散した病原菌を吸い込んだり、糞尿に含まれる病原体に接触したりすることで、感染症にかかるリスクがあります。

特に免疫力の低い高齢者や子ども、持病を持つ方は、より深刻な健康被害を受ける可能性が高いため、注意が必要です。

家屋の劣化

コウモリの糞尿が長期間にわたって蓄積されると、その成分が天井材を浸食し、やがて天井にシミとなって表れます。これにより家の老朽化が進み、建物の資産価値の低下にもつながります。

また、コウモリが換気扇やエアコンの内部に入り込むことで、これらの設備が故障する可能性もあります。修理費用が高額になる場合もあるため、早期の対処が重要です。

コウモリの赤ちゃんを見かけた場合は「がいじゅうZERO」にご相談ください

コウモリの赤ちゃんを発見し、巣の存在が懸念される場合は、専門業者への相談をおすすめします。「がいじゅうZERO」では、相談受付から調査、見積もり、駆除作業まで、外部業者を挟むことなくすべて自社スタッフが対応しています。

豊富な経験と専門知識を持つスタッフが、適切な方法でコウモリの問題を解決します。施工後は消毒・修繕・清掃も徹底的に行っているため、衛生面での不安も解消できます。

また、再発リスクを最小限に抑えるため、最長10年間の保証も付いており、安心してご利用いただけます。

まとめ

コウモリの赤ちゃんを発見した際は、まずは触れずに様子を観察することが大切です。保護が必要な場合は適切な防護措置を取った上で対処し、最終的には野生に戻すか専門機関に相談しましょう。また、巣の存在が疑われる場合は、健康被害や家屋の劣化を防ぐため、早急に専門業者に相談することをおすすめします。