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なぜハクビシンは屋根裏に棲み着く?
ハクビシンが民家の屋根裏に棲み着く理由は、そこが理想的な環境だからです。警戒心が強く木登りが得意なハクビシンは、もともと樹洞(樹木にできた洞穴状の空間)や洞窟などをねぐらにして生活していました。
しかし、里山的な環境が減ったために人里に下りてきて、民家に棲み着くようになったのです。特に屋根裏は周囲が壁に取り囲まれていて外敵の目に付きにくく、雨風や暑さ・寒さをしのげるうえに、巣材に適したフカフカの断熱材や餌も簡単に手に入ります。
安全で棲み心地が良く子育てにもぴったりで、ハクビシンにとってこの上ない条件が整った場所なのです。
人間からすると屋根裏に出入りするのは大変そうだと感じますが、ハクビシンは体長90~110㎝程度のイタチに似た体型で、10cmくらいの穴でも出入り可能です。
さらに運動能力が高く木の枝や電線も伝い歩きできるので、屋根の狭い隙間や通気口などから簡単に侵入してきます。
ハクビシンに棲み着かれるとさまざまな被害が出るため、もし棲み着かれたら早急に追い出さなくてはなりません。
しかし、屋根裏が非常に心地良い場所だと知っているため、頑張って追い出してもその後の対策が甘いと何度でも戻ってくる可能性があります。
ハクビシンが屋根裏に棲み着いているサイン
ハクビシンが屋根裏に棲み着いているかどうかを判別する方法を見ていきましょう。
天井から「ドタドタ」と足音が聞こえる
ハクビシンは体重が3~4キロ程度の中型の動物です。屋根裏にいる場合には、動き回る際にドタバタという激しい足音が聞こえてきます。足音に加えて鳴き声が聞こえてくることもあり、かなりうるさく感じられるでしょう。
動物のくさいニオイがする
ハクビシンが屋根裏に棲み着いていれば排泄も行われています。獣くさいニオイやフン尿のニオイが室内にも漂ってくることが多いです。何も棲み着いていなければ、そのようなニオイは発生しません。
また、尿が溜まってくると天井から染みて雨漏りのように室内に落ちてくることもあります。フンも溜まってくるため、フンらしきものが一か所に集まっていないかどうか確認してみましょう。
ゴミ置き場や家庭菜園が荒らされる
食べ物が荒らされていないかどうかでもハクビシンが棲み着いているかどうか判断できます。生ゴミや台所にそのまま置いておいた食品類が食い荒らされていたら、ハクビシンが棲み着いている可能性が高いです。仏壇のお供え物やお菓子などもよく狙われます。
家庭菜園をしている場合には、野菜や果物などの作物の状態も確認しておきましょう。
ハクビシンの屋根裏への侵入経路
ハクビシンは体が柔らかいため、小さな穴からでも侵入できてしまいます。1辺が8cm程度の穴があれば、成獣のハクビシンが出入り可能です。では、家屋の中で、ハクビシンの侵入経路になりやすい場所を紹介します。
基礎部分の穴
住宅の基礎部分には金網や鉄格子でフタされている通気口があります。築年数の長い家だと、フタとコンクリートの接合部分が劣化して脆くなっていることも多いです。フタがはずれると、ハクビシンが侵入できるくらいの穴になってしまいます。
穴の開いた屋根
屋根瓦が劣化すると一部が剥がれてしまうこともあります。そのまま雨風に晒されると、下地も劣化して脆くなり穴が開いてしまい、ハクビシンの侵入経路にされやすいです。
傷んだ外壁の隙間
大きな地震が発生すると、古い住宅の外壁に歪みが発生する可能性があります。そうなると柱と壁との間に隙間が空いたり、外壁が割れたりすることも多いです。ハクビシンが通れる大きさの穴ができると、侵入されてしまいます。
目立たない軒下の隙間
古い木造住宅では、屋根と外壁のつなぎ目にあたる軒下部分に目立たない隙間ができていることがよくあります。ハクビシンが通れるくらいの大きさになっていることも多く、侵入経路にされやすいです。
床下に通じる縁の下
古い民家だと縁の下が塞がれていないこともあります。ハクビシンくらいの大きさの動物なら簡単に出入りできてしまうため、格好の住処にされてしまいます。普段は縁の下にいて、食べ物を探しに室内に侵入したり屋根裏まで上ってきたりすることもあるでしょう。
換気扇の穴
換気扇が止まっているときには、換気扇の穴がハクビシンの侵入経路にされてしまう可能性があります。特に夜間に寝静まった後の時間帯だと、周りに人がいないため侵入されやすいです。室内に侵入してから屋根裏に行くこともあります。
通気口の隙間
家によっては外壁に通気口が設置されていることもあるでしょう。基礎部分の通気口と同じように金網や鉄格子などでフタされていますが、劣化して脆くなっているとはずれやすいです。ハクビシンが壁の内部に侵入し屋根裏まで上って行く可能性があります。
植木・電柱
ハクビシンは木登りが得意です。屋根の近くに植木があると、いったん植木に上ってから屋根の上に飛び移って侵入することもあります。また、近くに植木がなくても油断はできません。電柱に上って屋根の上に飛び移ることもあります。
雨どいや配管
雨どいは外壁に屋根から地面付近の場所まで張られています。そのため、ハクビシンが雨どいを利用して屋根まで上ってくることもあるため注意が必要です。エアコンの配管なども利用されることがあります。
屋根裏にハクビシンが棲み着くことによる被害
ハクビシンが屋根裏に棲み着くと、建物や健康面に大きな被害が出る可能性があります。詳しくみていきましょう。
建物の被害
屋根裏に棲み着いたハクビシンは、巣作りのために断熱材や壁を破壊したり、配管や配線をかじったりします。かじられた配線を放置すれば、火災などの大きな事故につながるかもしれません。
また、ハクビシンには「ためフン」といって同じ場所に排泄する習性があり、溜まった糞尿で建材がカビたり天井が腐って落ちてきたりする場合もあります。
ここまで被害が広がると大規模な改修が必要になり、高額な費用がかかる可能性が高いため、早急な対策が不可欠です。
健康面の被害
ハクビシンはサルモネラ菌やカンピロバクターなどの菌や寄生虫、ノミ・ダニを保有している個体が多く、ハクビシンを介してこれらの病原菌に感染するおそれがあります。
また、ハクビシンの糞尿のニオイは強烈なので、悪臭によって不調やストレスを感じることもあるでしょう。
さらにハクビシンは夜行性で深夜にガサゴソと動き回るため、騒音で睡眠を妨げられる場合もあり、心身の両面に悪影響が及ぶ可能性があります。
ハクビシンによってもたらされる病気については、次の記事で詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
「ハクビシンから人に感染する病気の種類|見かけたときの対処法」
ハクビシンを屋根裏から追い出す方法
ハクビシンが屋根裏に棲み着くと建物や健康に悪影響を及ぼすため、速やかに対処することが重要です。
しかし、ハクビシンは鳥獣保護法によって守られている動物であり、捕獲・駆除するには自治体の許可を得なくてはなりません。許可なく捕獲・駆除すると懲役や罰金などが科せられる可能性があります。
そのため、個人が許可なしで対処するには、ハクビシンを追い出すしかありません。ハクビシンを屋根裏から追い出す主な方法は次の3つです。
・忌避剤を使う
・燻煙剤を使う
・大きな音を使う
これらの方法について詳しく解説します。
忌避剤を使う
忌避剤とは、ハクビシンが苦手なニオイがする薬剤です。設置型やスプレー型などが市販されており、置くだけ・かけるだけで手軽に使えます。
ただし、ハクビシンが忌避剤のニオイに慣れたなどで、まったく効果が出なくなることも少なくありません。
また、触ったり吸い込んだりすると体に有害な忌避剤があるため、小さな子どもやペットがいる家庭での使用には注意が必要です。
燻煙剤を使う
燻煙剤とは、煙とともにハクビシンが嫌がるニオイを散布する薬剤です。ハクビシンの侵入口から離れた場所で燻煙剤を使用すると、ハクビシンが侵入口から逃げていきます。すべてのハクビシンが屋外に逃げたら、あとは侵入口を塞いで完了です。
ただし、誤って侵入口の近くで燻煙剤を使うと、ハクビシンが逃げ場をなくすので追い出しに失敗します。
また、子どもがいるときに燻煙剤を使うと、母親が子どもを壁の隙間などに隠します。そのまま子どもが弱って死んでしまい死体が回収できないと、腐敗による異臭がしたり虫が湧いたりするため、使用する位置とタイミングを慎重に見極めなくてはなりません。
大きな音を使う
忌避剤や燻煙剤の使用が難しい場合は、大きな音を出して追い払うのもひとつの方法です。ハクビシンは聴覚が優れているので、掃除機やスマートフォンなどで大きな音を出すと驚いて逃げていく可能性があります。
家にある物でできるので、余計な費用もかかりません。ただし、ハクビシンが音に慣れると効果が薄れて、うまく追い出せなくなる場合があります。
ハクビシンの嫌いなニオイを使う
ハクビシンは嗅覚も鋭いので、忌避剤などを用いなくても嫌いなニオイを振りまくだけで追い出せる場合もあります。
例えばハクビシンは、山火事を思い起こさせる木酢液(もくさくえき)や石油・灯油系のニオイが嫌いなので、忌避剤代わりに活用すると良いでしょう。木酢液をスプレーボトルに詰めれば、狭い屋根裏でも手軽に使用できます。
ただし、徐々にニオイが薄れていったりハクビシンがニオイに慣れてしまったりすると効かなくなるので、持続的な効果は期待できません。
ハクビシンを駆除するなら「がいじゅうZERO」がおすすめ
忌避剤や燻煙剤を使ったり、大きな音を出したりすればハクビシンを追い出せる可能性はありますが、自力での対処はあまりおすすめできません。
ハクビシンの体や糞尿にはたくさんの病原菌がついており、追い出しや後処理の際に感染するおそれがあるためです。身の危険を感じたハクビシンに襲われてケガをする危険もあります。
また、侵入口を探してうまくハクビシンを追い出すには、害獣駆除に関する技術と知識が必要です。技術と知識がない状態で対処しようとすると、ハクビシンが屋根裏のさらに奥に行ってしまったり子どもが取り残されたりして失敗に終わる可能性が高いでしょう。
また、追い出し後の後処理が徹底できておらず、せっかく追い出したハクビシンが戻ってきて被害が再発するケースもあります。このように自力での対処はハードルが高いので、専門の駆除業者を頼るのがおすすめです。
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まとめ
民家の屋根裏はハクビシンにとって理想的な環境で、1度棲み着くとなかなか出ていきません。長く棲み着かれるほど被害が拡大し、建物が傷んだり病気に感染したりするリスクが高まるため、できるだけ早めに対処することが大切です。
忌避剤や燻煙剤などを使えば自力で追い出せる可能性がありますが、きちんとした知識をもっていないとまったく効果が出ないことがあります。
また、作業中に病原菌に感染したり、後処理が甘くハクビシンが戻ってきてしまったりする可能性があるので、専門知識をもつプロの駆除業者に任せるのがおすすめです。