屋根裏に侵入する動物の種類とは?
夜、真っ暗な室内で突然天井裏から「ガサゴソ…」と音がすると、びっくりしてしまいますよね。それは、通風口や換気口から天井裏に侵入した野生鳥獣が立てている音かもしれません。
なかには、猫を始めとする害獣ではない動物が侵入しているケースもあるため、まずは種類をしっかり見極める必要があります。ここでは、屋根裏に侵入する動物の代表的な種類を解説します。
ハクビシン
ハクビシンは猫に近い大きさで、鼻筋に白いラインが入った動物です。頭が小さいため狭い侵入経路からも屋根裏に潜り込むことができます。
ハクビシンは夜行性のため、夜になると活動的になります。棲み着くと、夜に野外で餌を食べ、休むために屋内に戻るルーティンで生活します。また、決まった場所で排泄する『ためフン』の習性があるので、屋根裏に棲み着くと天井にシミができることがあります。
アライグマ
アライグマはハクビシンより大きく、中型犬ほどのサイズです。一見してタヌキによく似ていますが、目の周りの黒い模様やしっぽに入ったしま模様で見分けられます。
アライグマは手先が器用で力が強く、狭い隙間を無理矢理広げて屋根裏に侵入します。このとき、足音とは別に大きな物音を発する場合があります。夜行性ですが昼に活動する個体も多いため、昼夜を問わず音がするときはアライグマを疑いましょう。
イタチ
イタチはほっそりとした体型で、狭い隙間でもするりと入り込む夜行性の動物です。体重は2㎏程度と軽く、足音が比較的静かなので、注意しなければ気付きづらいかもしれません。
しかし、肉食性でありフンが強烈な匂いを放つため、かすかな物音とともに原因不明の悪臭に悩んでいたらイタチの可能性があります。
ネズミ
屋根裏に棲み着く害獣でもっとも一般的な動物がネズミです。なかでも住宅に棲み着くのは、『ハツカネズミ』『クマネズミ』『ドブネズミ』の3種です。
ネズミも夜行性なので、夜になると屋根裏を活発に走り回ります。繁殖力が高く、数が増えると個体のサイズが小さくてもかなりの騒音を発します。また、餌を求めて居住スペースに姿を現す場合があります。
鳥
鳥は住宅の高い位置にある隙間を狙って屋根裏に侵入します。住宅に棲み着く可能性が高いのは次の2種です。
ハト
ハトは全国どこにでも生息する身近な鳥のひとつです。草や枝を屋根裏に持ち込んでつがいで巣を作り、糞尿で家のなかを汚します。この糞尿を放置すると、木材や金属の腐食を招き、住宅を傷ませてしまいます。
夜や早朝に天井から足音や羽ばたき音がするとき、ハトの鳴き声がするときは注意が必要です。
カラス
カラスが巣を作ると、餌となる生ゴミや動物の死骸を屋根裏に持ち込み、排泄物と相まって悪臭の発生や害虫が繁殖するリスクが高まります。
カラスは縄張り意識が強く、特に繁殖期の4月頃から雛が巣立つ7月頃までは警戒心が最も高まる時期です。近くを通るだけで威嚇して攻撃してくる危険性があるので、刺激しないよう注意しましょう。
コウモリ
住宅の屋根裏に棲み着くのは、小型の『アブラコウモリ』です。暖かい場所を好み、昼間は屋根裏で体を休めています。夜行性のため、夜に「バサバサ」という羽ばたき音が聞こえたらコウモリを疑いましょう。
また、冬眠の習性があるため、活発に動き回る春から秋にかけての侵入に気をつけましょう。
屋根裏に害獣が棲み着いてしまう理由
屋根裏は、害獣にとって快適な環境です。住処とはいえ屋根裏に人間が来ることはありません。電気が通っていないことも多く、暗くて静かで棲み着く条件として理想的です。
さらに壁で覆われていて屋根があるため天敵に襲われにくく、ほとんど寒暖差もありません。食べ物が豊富なので繁殖にも適しています。特に断熱材が入っていると布団があるような状態で心地良いので、寝床や子育ての場として選ばれがちです。
害獣を放置したらどうなる?
屋根裏に野生の動物が棲み着いていると気がついたら、放置してはいけません。そのままにしても解決せず、害獣による直接的な攻撃を始めとするさまざまなトラブルに巻き込まれる可能性があります。これらの被害は棲み着く期間が長引くほど拡大するため、早めの対処が肝心です。ここでは、害獣により引き起こされる深刻な被害を紹介します。
騒音がする
屋根裏に動物が棲み着いたとき、まず困るのが騒音です。屋根裏に棲み着く野生の動物の大半は夜行性で、夜になると活動的になります。特に夜は辺りが静かなだけに、鳴き声や足音が非常に大きく響きます。
かすかな音だとしても、毎日続くことでストレスの一因になります。屋根裏で繁殖するとさらに音が大きくなり、睡眠不足や不眠症といった健康被害の原因にもなります。
悪臭がする
野生の動物が屋根裏に棲み着くと、その場でフンや尿をするため、下の部屋には悪臭が立ちこめます。屋根裏の汚れは手軽に掃除できないため日に日に悪臭が強くなり、生活に悪影響を及ぼします。
病気の発生源になる
屋根裏に棲み着く野生動物やその排泄物には、病原菌や寄生虫が宿っている可能性があります。フンや尿が乾燥すると粉塵となって家のなかにまき散らされ、階下に住んでいる人間にも健康被害が発生するリスクがあります。
また、動物にはノミやダニなどの害虫が寄生しているケースが多く、アレルギーを引き起こす原因にもなりかねません。排泄物を餌に、ゴキブリやハエといった病気や感染症を媒介する害虫が集まる場合もあります。
屋根裏が傷む
屋根裏に野生動物が棲み着くと家が傷みます。動物の排泄物で天井にシミができるのはもちろん、そこから建材が腐り、最悪の場合天井が抜け落ちてしまうかもしれません。
なかには侵入口を広げようと壁を壊したり、木材をかじったりする動物もいます。巣を作るために屋根の断熱材をはがしてボロボロにしてしまう動物もいるので、放置して被害が拡大すると高額な修繕費を負うことになりかねません。
屋根裏に侵入した動物を排除する方法
それでは、屋根裏に野生動物が棲み着いたときはどのように対処すればよいのでしょうか。
実は、ハクビシンをはじめとする野生動物は『鳥獣保護法』で守られており、勝手に捕獲や殺処分ができません。ここでは、家庭で可能な範囲の対処法を紹介します。
忌避剤を使って自力で害獣を排除する
市販の忌避剤を使って動物を家屋から追い出す方法です。
忌避剤には燻煙タイプ・固形タイプ・超音波タイプなどがあり、身近なホームセンターで購入できます。
ただし、忌避剤は万能ではありません。害獣を追い出せなかったり、すぐに効果が切れてしまったりします。また、忌避剤を使って動物を追い出しても巣や排泄物は残るため、清掃をしなければ悪臭はなくなりません。
屋根裏に棲み着く野生動物の多くは、自分がマーキングした場所に戻ってくる習性があります。もともとの出入り口に忌避剤を置いても、別の隙間を見つけて繰り返し侵入してくるため、素人が害獣対策をするのは難しいのです。
専門業者に依頼する
屋根裏に棲み着いた野生動物に悩んでいる場合は、害獣駆除の専門業者に依頼するのが解決の近道です。
駆除経験が豊富な専門業者なら、侵入経路を特定したうえで、それぞれの害獣に効果的な方法を用いて駆除・再発防止策を実施します。
「がいじゅうZERO」では、ハクビシン・アライグマ・ネズミ・コウモリを始めとした幅広い害獣駆除に対応しています。実績と経験豊富な自社スタッフが相談から見積もり、駆除作業までをワンストップで処理しており、駆除方針が一貫しているため高い効果を発揮します。
屋根裏の消毒や殺虫処理などのアフターケアにも対応しているため、すでに被害が拡大している場合も安心です。
「がいじゅうZERO」の害獣対策は、最長10年間の保証付きです。屋根裏によくわからない動物が棲み着いて不安なとき、確実に駆除したい場合は、どうぞお気軽にご相談ください。
屋根裏に動物を侵入させないための予防策
害獣に棲み着かれると騒音や悪臭などの被害が出る上に、追い出すのに苦労します。害獣に棲み着かれないように、前もって対策を徹底しておきましょう。害獣の侵入防止対策として特に心がけたいのが、下記の5点です。
・ゴミは収集の直前に出す
・餌を置かない
・管理していない畑や果樹を放置しない
・侵入経路を塞ぐ
・家屋のメンテナンスをする
それぞれの詳細について解説します。
ゴミは収集の直前に出す
なるべくゴミを部屋に置いておきたくないと思い、早めに収集場所に持って行く方もいるでしょう。
しかし、野菜の皮や魚の骨など、人間にとっては生ゴミである物も害獣にとっては立派な餌です。収集場所に長く生ゴミが置いてあると害獣が寄ってくる可能性もあるので、なるべく収集時間の直前に出すようにしましょう。
直前に出すのが難しい場合は、ネットを被せたり柵を設置したりして害獣がゴミを荒らさないように対策することが重要です。
戸建て住宅で勝手口の外などにゴミ箱を置いている方もいると思いますが、できれば家の周囲にゴミ箱も置かないようにしましょう。
どうしても屋外にゴミ箱を置く必要がある場合は、頑丈な素材の蓋やロック機能の付いたゴミ箱を選ぶのがおすすめです。
餌を置かない
ペットの餌や農作物なども害獣に狙われます。もし屋外でペットを飼っている場合は、ペットの餌や食べ残しを外に放置しないようにしましょう。鳥や魚などのペット自体が狙われる場合もあるので、小屋の強度を上げて害獣が侵入しないように工夫することが重要です。
畑で取れた農作物のうち、虫食いがある作物や消費しきれない作物も放置してはいけません。不要でもすべて収穫し、ゴミに出したり埋めたりして片づけましょう。
管理していない畑や果樹を放置しない
畑や庭に植えた果樹なども実がなると害獣が寄ってくるため、しっかり害獣対策を施して管理しましょう。害獣が畑に近づかないように、忌避剤を撒いたり網や電気柵などを設置したりすると効果的です。
畑や果樹を管理しきれていない場合は、餌場をなくすためにも思い切って畑じまいをしたり、伐採したりすることも検討しましょう。畑周辺の林やヤブも、害獣が棲み着いてしまい、身を隠す場所になることがあるのでお手入れしてください。
侵入経路を塞ぐ
害獣が屋内に侵入するのを防止するには、侵入経路を物理的に塞ぐのが効果的です。通気口や換気扇、排水管の出口、屋根や天井の隙間などが害獣の侵入口になりやすいため、しっかり塞ぎましょう。
細かな亀裂や隙間は補修パテで埋めて、通気口や排水管の出口はステンレスなどの金属製の網を取りつけるのがおすすめです。プラスチックや木材などでは害獣に破られてしまうので、丈夫な素材の物を選びましょう。
害獣によっては、数㎝の隙間や穴があれば屋内に侵入できます。これくらいなら大丈夫と油断せず、目につく場所はすべて塞ぐのが成功のポイントです。
家屋のメンテナンスをする
建物は時間の経過とともに劣化し、外壁や屋根などにひび割れや隙間ができる場合があります。台風などの災害によって家屋がダメージを受けることもあるでしょう。
そうしてできたひび割れや隙間を放置すると、そこから害獣が侵入してくるので定期的にメンテナンスすることが大切です。庭木を伝って侵入するケースもあるので、こまめにお手入れして伸びすぎないようにしましょう。
まとめ
屋根裏に棲み着く動物には、小さなネズミから鳥、小型犬より大きく成長するアライグマと、さまざまな種類があります。棲み着かれると大切な住宅が傷み、家族の生活が脅かされるため、放置するのは厳禁です。
棲み着く期間が長いほど被害が拡大するので、害獣駆除の専門業者に相談して、早めの解決を目指しましょう。