コウモリの生態とは?被害を防ぐためにできること

コウモリは夜行性の哺乳類で、世界中に広く分布し、日本でも多くみられます。実際に、自宅周辺でコウモリをみかけた方もいるかと思います。室内に入ってこないようにするためにも、生態を把握しておきたい方もいるでしょう。そこで今回は、コウモリの生態や生活環境、活動時間を踏まえ、起こり得る被害を未然に防ぐためにできることを紹介します。


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コウモリの生態

コウモリは夜行性の哺乳類であり、さまざまな環境に適応して生息しています。日本に生息するコウモリは、小型で主に昆虫を捕食する種類が多く、昼間は暗い場所に身を潜め、夕方から夜にかけて活発に活動するといった特性です。

コウモリは高度な飛行能力を持ち、エコーロケーションと呼ばれる超音波を使って獲物や障害物を探知します。この能力により、真っ暗な環境でも自由に飛び回ることが可能です。群れで生活する習性があり、繁殖期には特に大きな群れを形成することがあります。

ここでは、コウモリの生態をより詳しく解説します。

人の近くで暮らす

コウモリは山間部などの人里離れた場所にはあまり生息せず、建物が多い地域に棲み着くことが一般的です。木造や鉄骨造など、建物の構造に関係なく、巣を作りやすい場所に定住します。

具体的には、天井裏、戸袋の中、瓦の下、換気口内、壁内、水切り部、エアコンや給湯器の内部などがあげられます。また、1cm程度の隙間があればこれらの場所に侵入することが可能です。

このような特性から、都市部の建物周辺でコウモリを見かけることがあるのです。

群れで暮らす

コウモリは基本的に群れを作って生活します。小さな群れでは数頭から数十頭程度ですが、大きな群れでは50〜60頭、さらには200頭を超えることもあります。群れは、繁殖期になるとさらに大きくなり、子育てのための共同作業が見られます。

群れでの生活は、安全確保や情報共有に役立っており、コウモリの生存にとって重要な要素となっています。

春~秋・夕方~夜に活発に活動する

コウモリは12月から2月頃まで冬眠し、その間はほとんど活動しません。春になると冬眠から目覚め、活発に活動し始めます。特に7~8月は繁殖期であり、一度に3匹程度の子供を産むことが一般的です。

日ごとにみると夕暮れ時に活動しはじめ、昆虫などの餌を探しに飛び立ちます。夕方から夜にかけてはコウモリが最も活発に活動するため、家の周りでコウモリを見かけることが多いでしょう。

コウモリによる被害

家の周りにコウモリが現れると、さまざまな被害が発生することがあります。具体的には、悪臭、騒音、健康への影響の3つです。ここでは、それぞれの被害について解説します。

悪臭被害

コウモリのフンは非常に強い悪臭を放ちます。ドブのような臭いがすることが多く、大量のフンが蓄積されると、その臭いはさらに強くなります。

家の屋根裏や壁の隙間など、コウモリが棲みつきやすい場所にフンが溜まると、住環境が著しく悪化しかねません。コウモリのフンは湿気を吸収しやすく、腐敗が進むことで悪臭が増します。また、コウモリ自体にも獣臭があり、不快な臭いを感じる原因のひとつです。

ドブのような臭いがしたり、獣臭がしたりしたときは、コウモリが棲み着いていると考えられます。

騒音被害

コウモリの羽音は、夜間の騒音の原因となります。夕方から夜にかけて活動を始めることも相まって、羽音が耳につくことが多くなります。

コウモリが群れでいる場合、騒音が睡眠を妨げ、日常生活に支障をきたしかねません。羽音だけでなく、コウモリが壁の中や屋根裏を移動する音も騒音の原因になります。夜間の静かな時間帯に活発に活動することで、よりいっそう気になりやすくなります。

コウモリの騒音は一時的なものではなく、棲み着いている限り継続するため、長期的にストレスを感じる要因になり得るのです。

健康被害

コウモリの存在は健康にも悪影響を及ぼします。アレルギー症状として、アトピー性皮膚炎や喘息が悪化することがあります。さらに、コウモリが媒介する感染症にも注意が必要です。

ヒストプラスマ症

ヒストプラスマ症は、コウモリのフンに含まれるヒストプラスマ菌が乾燥して空気中に飛散し、それを吸い込むことで感染する病気です。主な症状としては、発熱、咳、呼吸困難などがあげられます。重症化すると、肺炎を引き起こし、長期にわたる治療が必要となるケースがあります。

エボラウイルス病

エボラウイルスは、コウモリが自然宿主とされており、感染すると高い致死率を持つ病気です。エボラウイルス病の症状は、発熱、出血、臓器不全などであり、発症から短期間で急激に悪化することが多いです。このウイルスは接触感染を介して広がるため、感染者との接触を避けることが重要です。

ニパウイルス感染症

ニパウイルスもコウモリから人に感染する可能性がある病気で、発熱、呼吸困難、脳炎などの症状が現れます。ニパウイルス感染症は重症化すると致死率が高く、迅速な医療対応が求められます。感染経路としては、コウモリの体液や糞便、唾液などとの接触が主な原因とされています。

これらの感染症を防ぐためには、コウモリとの接触を避けることが最も効果的です。コウモリからうつる可能性のある感染症について、詳しくは下記の記事で解説しています。

コウモリはどんな病気を持っている?危険な感染症から身を守るには

コウモリの被害に遭わないための方法

コウモリが家の周りに棲み着くと、被害を受けるおそれがあります。ここではコウモリの被害に遭わないための方法について詳しく説明します。

コウモリを侵入させない

コウモリを家の中に侵入させないためには、まず自宅のなかでコウモリが入り込みそうな隙間をしっかりと塞ぐことが重要です。特に屋根裏や壁の隙間など、コウモリが入り込みやすい場所はシーリング剤などを使用して隙間を埋めるのが効果的です。

また、換気口など空気の流れを確保する必要のある場所をはじめ、完全に塞ぎきるのが難しい場所には、目の細かいネットや金網を使用することで、コウモリの侵入を防ぐことができます。

コウモリの侵入が疑わしい場所に応じて、適切な対策を施しましょう。

家の周りから追い払う

コウモリを自宅周辺から追い払うためには、忌避剤の使用が効果的です。忌避剤には燻煙タイプ、スプレータイプ、ジェルタイプの3種類があります。

燻煙タイプは煙を利用してコウモリを追い払うものです。広範囲での効果を期待できるため、屋外での使用に適しています。

スプレータイプは手軽に使用できるため、コウモリを見かけた際にすぐに対応できるのが特徴です。特定の場所にピンポイントで効果を発揮させたいときに活用できます。

また、ジェルタイプは持続性があるため、長期間にわたって使用できます。屋根裏や壁など、頻繁に取り替えるのに手間がかかる場所に用いるのがおすすめです。

エサとなる蚊を繁殖させない

コウモリの主なエサは蚊です。そのため、蚊の繁殖を抑えることが、結果としてコウモリ対策につながります。

蚊は水場がある場所に発生しやすいため、庭やベランダに水溜まりを作らないように注意しましょう。特に雨が降った後は水が溜まらないように管理することが重要です。

また、室内の観葉植物の受け皿に溜まった水もこまめに捨てるようにすることで、蚊の繁殖を防げるため、コウモリの被害を抑制することにもつながります。

まとめ

コウモリは夜行性で社会性の高い哺乳類で、エコーロケーションを使って獲物を探します。わずかな隙間から家屋に侵入することがあり、放置しておくと悪臭や騒音、健康被害を引き起こす可能性があります。

被害を防ぐためには、家の隙間を塞いだり、忌避剤を使用したりといった対策を講じることが必要です。

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