ハクビシンの特徴・生態は?
まず、ハクビシンがどのような動物なのかを理解しましょう。
身体的特徴
ハクビシンは体長が50cm~1m程度の中型哺乳動物です。全身が灰色の体毛に覆われており、最も特徴的なのが顔の中央に入った白い縦線模様です。
体型はしなやかで、木登りが得意なため、高い場所への侵入も可能です。夜行性のため、日中に姿を見かけることは少なく、畑の被害も主に夜間に発生します。
生息域
ハクビシンは北海道から沖縄まで幅広い地域で生息が確認されています。
都市部から山間部まで適応能力が高く、人間の生活圏近くでも問題なく生活できるため、畑や家庭菜園での被害が増加傾向にあります。
好む場所
自然界では、木の洞や他の動物が作った穴などを住処とします。また、人間の住環境にも適応しており、民家の屋根裏や天井裏、床下などの暗くて静かな場所を好んで住処とします。
古い倉庫や使われていない建物がある場合、そこが住処になっている可能性も高いため、周辺環境をチェックしましょう。
繁殖期
ハクビシンには冬眠の習性がなく、一年中活動しています。年間を通じて繁殖可能なため、一度棲み着いてしまうと個体数が急速に増加する可能性があります。
ハクビシンとタヌキを見分けるポイントについては、こちらをご覧ください。
「タヌキとハクビシンの違いとは?見分け方や追い払い方を紹介」
なぜハクビシンは畑を荒らすのか?
畑や家庭菜園は、ハクビシンにとって理想的な餌場です。夜中になると人の気配が少なくなり、豊富な農作物が無防備な状態で存在するため、絶好の食糧確保の場所として認識されるのです。
ハクビシンは雑食性で、果物や野菜を好んで食べます。特に甘い果物を好むため、果樹園や果物を栽培している畑では被害が深刻になりがちです。
また、学習能力が高く、一度美味しい餌があることを覚えると、継続的に同じ場所に現れるようになります。
ハクビシンが畑で起こす被害とは?
ハクビシンによる畑の被害を具体的にみていきましょう。
作物の被害
収穫時期になると、ハクビシンは作物を食い荒らします。完熟した美味しい果物を選んで食べるため、収穫予定だった一番良い状態の作物が被害を受けることが多く、農家にとって経済的な損失が深刻です。
特に、トマト、ナス、キュウリなどの野菜類や、ブドウ、桃、柿などの果物類での被害報告が多く寄せられています。
衛生被害
ハクビシンは畑だけでなく、その周辺の環境にも影響を与えます。ゴミ箱をひっくり返してゴミを散らかしたり、倉庫内を荒らしたりする行動により、周辺環境が不衛生になってしまいます。
糞尿被害
ハクビシンの糞尿は強烈なアンモニア臭を発生させ、そのニオイは長期間にわたって残存します。このニオイにより、ハクビシンは「ここは快適で安全な場所」だと認識し、同じ場所に繰り返し現れるようになります。
さらに深刻な問題として、糞尿にはウイルスや病原菌が含まれている可能性があり、人間が感染症にかかるリスクもあります。
ハクビシンから畑を守るための対策
ハクビシンから畑を守るためには、複数の対策を組み合わせることが重要です。
農作物を早めに収穫する
ハクビシンが好む農作物を栽培している場合、完熟前の早めの収穫が被害を防ぐ最も確実な方法です。特に甘みの強い果物類は、完熟する前に収穫し、室内で追熟させることで被害を回避できます。
収穫のタイミングを調整することで、ハクビシンの餌となる作物を畑から取り除き、彼らの関心を他の場所に向けさせることができます。
雑草や枯葉などを取り除く
畑周辺の雑草や枯葉は、ハクビシンの隠れ場所となるだけでなく、他の害獣や害虫の住処にもなります。定期的な清掃により清潔な環境を維持することで、ハクビシンが身を隠せる場所を減らし、畑への侵入を抑制できます。
忌避剤を使用する
ハクビシンが嫌うニオイを放つ忌避剤の使用は、比較的手軽で効果的な対策です。木酢液やカプサイシンを含む唐辛子ベースの忌避剤が特に効果的とされています。
雨で流れてしまうため、定期的に再散布しましょう。
音や光で寄せ付けない
超音波を発する装置や、動きを検知して自動的に点灯するセンサーライトも効果的な対策です。夜行性のハクビシンは急な光や音を嫌うため、これらの装置により畑への侵入を阻止できます。人の無断侵入も防げます。
ただし、ハクビシンが慣れてしまう可能性もあるため、設置場所や種類の定期的な変更が推奨されます。
電気柵を設置する
より確実な対策として、電気柵の設置があげられます。ハクビシンが柵に接触すると軽い電気ショックを受けることで学習し、その場所に近づかなくなります。
電気柵は設置費用がかかりますが、長期的な効果が期待できる対策です。
ハクビシン対策をするときの注意点
効果的な対策を実施する前に、必ず知っておくべき重要な注意点があります。法的な制約や安全面での配慮を怠ると、思わぬトラブルを招くおそれがあります。
ハクビシンは鳥獣保護法の対象
最も重要な注意点は、ハクビシンが鳥獣保護法によって保護されている動物であることです。個人が勝手に駆除や捕獲を行うことは法律で禁止されており、違反した場合は1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が課せられる可能性があります。
もし捕獲や駆除が必要な場合は、駆除作業を始める前に必ず自治体で捕獲許可を取得する必要があります。許可なしに行った駆除作業は違法行為となりますので、十分注意してください。
基本的には追い払いや侵入防止などの対策に留めることが安全で確実な方法です。
不安な場合は専門業者に依頼する
ハクビシンの駆除や対策は、実際には専門業者でなければ難しいのが実情です。専門業者であれば、スピーディーかつ確実に対応してくれます。
特に被害が深刻な場合や、自分での対策に限界を感じた場合は、早めに専門業者に相談することをおすすめします。初期費用はかかりますが、長期的にはメリットがある場合が多いでしょう。
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ハクビシンの被害にお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
ハクビシンは甘い果物や野菜を好んで食べるため、畑に深刻な被害をもたらします。対策には早期収穫、環境整備、忌避剤、センサーライト、電気柵などが効果的ですが、鳥獣保護法により個人での駆除は禁止されているため注意が必要です。複数の対策を組み合わせて総合的に取り組み、困った時は専門業者に相談しましょう。適切な対策で大切な農作物を守り、安心して農作業を続けてください。
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