コウモリは駆除してはいけない!正しい対処法について徹底解説

家にコウモリが棲み着くと、糞尿や騒音などの被害に悩まされます。しかし、安易な駆除は避けるべきです。なぜなら、コウモリは生態系において重要な役割を担い、人間にとっても有益な存在であるからです。今回は、コウモリを駆除ができない根本的な理由と、コウモリを見かけた場合の対処法やコウモリを放置するリスク、棲み着いているサインについて解説します。


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コウモリの駆除ができない理由

ここでは、コウモリの駆除が許可されていない理由について詳しく解説します。

鳥獣保護管理法が適用されている

コウモリは鳥獣保護管理法による保護の対象であるため、無許可での捕獲、殺傷は厳しく禁止されています。違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処される可能性があります。

鳥獣保護管理法の目的は、下記の通りです。

「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化を図り、もって生物の多様性の確保、生活環境の保全及び農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて、自然環境の恵沢を享受できる国民生活の確保及び地域社会の健全な発展に資すること」

鳥獣保護管理法は、生態系のバランスを保つために重要な役割を果たしている動物種の保護と自然環境の維持が目的です。

特に絶滅が懸念される種の生息数の維持やその生息地、生態系全体の健全性を守ることを重視しています。

日本には全部で34種のコウモリが生息し、その中には希少種や絶滅危惧種も含まれています。いまだに保全状況が把握できていない種もあるため、捕獲や殺傷が禁止されているのです。

出典:環境省「鳥獣保護管理法の概要

コウモリがいることのメリットもある

コウモリは夜行性の動物で、主な好物は昆虫です。中には、人間にとって厄介な蚊やハエ、農作物を食害するヨコバイやユスリカなどが含まれます。コウモリがこれらの昆虫を食べることにより、自然の中で害虫の数を調節し、農薬の使用を減らすことに貢献しています。

また、ゴキブリやカナブンなど、ほかの昆虫もコウモリの好物に含まれているため、農業や家庭環境における害虫問題の自然な解決策となることがあります。

これらの理由から、コウモリをただ厄介な害獣として扱うのではなく、生態系における重要な役割を担っていると認識することが大切です。

関連記事:【コウモリ】棲み着くのは縁起が良い?被害や注意点を紹介

コウモリがいた場合にしてはいけないこと

コウモリが生態系において重要な存在であるとはいえ、家に棲み着いてしまうとさまざまな悪影響をもたらしてしまうため、放置するのはおすすめしません。

コウモリが家に侵入した際には、鳥獣保護法に抵触しないよう、適切な方法で対処する必要があります。ここでは、コウモリがいた場合にしてはいけないことを解説します。

殺傷

コウモリを意図的に殺傷する行為は法律で禁止されています。これには、害虫駆除用の化学スプレーや電気ショックを用いる捕獲器の使用も含まれます。

また、棒で叩くなどしてコウモリを追い払う試みも、コウモリに傷害を加える可能性があるため避けるべきです。もしコウモリが家に侵入した場合は、窓を開けて自然に出て行くのを待つ、または専門家に相談するようにしましょう。

捕獲

コウモリの生け捕りは、特定の許可を得ない限り違法です。生け捕り用のトラップや網を使用してコウモリを捕獲することも法律に違反する行為です。

ただし、コウモリが明らかに負傷している場合や、その他の保護が必要な特別な状況下では、地方自治体や獣医師と連携して適切な処置を行うことができます。このような状況では、専門家の指導のもとで扱うことが重要です。

触る

コウモリはさまざまな病原菌を持っている可能性があり、直接触れることは非常に危険です。もし、コウモリに触れてしまった場合は汚染場所を増やさないためにも他の場所には触れず、石鹸で指先や爪の中をしっかり洗ってください。

コウモリに触れた手で他の場所を触ってしまった場合にはその場所もアルコール消毒しておけば安心です。

コウモリを放置するリスク

コウモリは勝手に駆除してはいけない生き物ですが、だからといって放置しておくと、住宅や健康にさまざまな悪影響を及ぼすおそれがあります。ここでは、コウモリをそのままにしておくことで起こりうる被害について解説します。

住宅被害

コウモリは夜行性で、昼間は屋根裏や壁の隙間などに潜んで過ごします。そのため、そこに大量の糞尿がたまり、天井や壁にシミができたり、悪臭が広がったりすることがあります。

特に糞尿にはアンモニアが含まれており、長期間放置すると建材の腐食やカビの発生を引き起こす場合もあります。さらに、巣作りの際に断熱材や木材を傷つけ、住宅の耐久性を低下させることもあるため、早めの対処が重要です。

健康被害

コウモリの体に付着したダニやノミが人に移ると、アレルギー症状や発熱、吐き気などを引き起こすことがあります。

また、コウモリの糞尿や体表には病原菌や寄生虫が含まれている可能性があります。コウモリがもつ主な病原菌は、以下の通りです。

・レプトスピラ菌
汚染された水や土壌を介して伝播し、重度の発熱や肝臓・腎臓への影響を引き起こすことがある。

・サルモネラ菌
消化器系の感染を引き起こし、下痢や発熱などの症状をもたらす。

・エボラウイルス
高い致死率を持ち、出血熱を引き起こす。

・狂犬病ウイルス
感染した場合の死亡率が非常に高く、発症後の死亡率はほぼ100%といわれている。

これらの病原体は、コウモリとの直接的な接触だけでなく、コウモリが生息する場所に近づき、空気中に浮遊する微粒子を吸い込むことによっても人に感染する可能性があります。

衛生環境の悪化

ベランダや軒下にコウモリがいると、糞やダニが洗濯物に付着することがあります。知らずに取り込むと、室内に害虫や病原菌を持ち込む結果になりかねません。また、コウモリは集団で生活する習性があるため、1匹見かけた時点で複数棲みついている可能性があります。

放置すれば繁殖期に一気に数が増え、糞尿や臭いの問題がさらに深刻化します。清潔な生活環境を維持するためにも、早めに専門家への相談が大切です。

騒音問題

夜行性のコウモリは、夜になると活発に飛び回ります。屋根裏や壁の中で「バサバサ」「キィキィ」など羽音や鳴き声を立てるため、睡眠の妨げになるほか、心理的なストレスを感じる方も少なくありません。

特に家族の中に小さな子どもや高齢者がいる場合、生活の質に大きな影響を与えることがあります。静かな環境を取り戻すためにも、放置は避けたいところです。

近隣トラブル

コウモリが原因で発生する糞尿の悪臭や、ベランダに落ちた汚れは、自宅だけでなく近隣にも迷惑をかける可能性があります。洗濯物が汚れたり、臭いが風で漂ったりすることで、思わぬご近所トラブルに発展するケースも少なくありません。

自分の家だけの問題と考えず、早期に安全な方法での対応が、地域の良好な関係を保つ上でも重要です。

コウモリが家に住み着いているサイン

コウモリは夜行性で警戒心が強く、昼間は屋根裏や壁のすき間などに身を潜めているため、気づかないうちに家に棲みついてしまうことがあります。コウモリが棲み着いているサインは次のような現象が見られるためチェックしてみてください。

・フンが落ちている
軒下やベランダ、換気口、屋根裏などに、5~10mmほどの黒く乾燥したフンが落ちている。数が多いほど棲みつきが進んでいる。

・羽音や鳴き声が聞こえる
夜になると、屋根裏や壁の中から「バサバサ」「カサカサ」「キィキィ」といった音がする。複数の個体が潜んでいると、音が連続的に聞こえる。

・悪臭がする
強いアンモニア臭やドブのような獣臭がする。夏場は臭いが強くなり、家全体に広がることもある。

・天井にシミができている
天井に黒ずんだシミや変色が見られる。コウモリの尿が天井裏からしみ出しているおそれがある。

・夕方に飛び立つ姿を見かける
日没後、家の軒下や換気口、壁の隙間などから小さな影が飛び立つのを見かける。毎晩同じ場所から飛び立つ場合は、すでに住み着いていると考えらる。

これらのサインが複数当てはまる場合は、早急に専門業者へ相談しましょう。

コウモリが棲み着いてしまった場合の対処法

コウモリが家に棲み着いてしまうと、かなり深刻な被害を引き起こすため、早めに対処することが重要です。

ここでは、自分でコウモリを追い出す適切な方法と専門業者に依頼する方法について、具体的なステップと注意点を解説します。

自分で追い出す

コウモリを自分で追い出すには、いくつかの手順が必要です。まずは、コウモリがどこに棲み着いているかを特定する必要があります。多くの場合、屋根裏や壁の隙間、換気扇付近が好まれます。

棲み着いている場所を特定したら、次は忌避剤を使って追い出します。広い空間には燻煙剤を、狭いスペースにはスプレータイプやジェルタイプの忌避剤が適しています。これらの忌避剤はコウモリに不快感を与え、自発的にその場所から離れるよう促します。

忌避剤を使用した後は、コウモリが出て行くのを静かに待ちます。すべてのコウモリが退去したことを確認したら、再び家に入って来ないよう、侵入経路をしっかり塞ぐことが大事です。具体的には、隙間を閉じるためのネットやフィルムの設置、壊れた箇所の修理などを行います。

業者に依頼する

コウモリの駆除から清掃、防止策までを一人で行うことは非常に困難です。自分での対処が不可能な場合、特に高所にコウモリがいる場合や忌避剤による追い出しが効かない場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。

専門業者はコウモリの生態や法的制約を熟知しており、適切な方法で追い出し作業を行います。また、二度とコウモリが侵入しないよう、再発防止策を講じるサービスも提供しています。

業者の選定時には、事前調査や見積もりが無料で提供されるか確認し、作業内容や費用の透明性を重視すると良いでしょう。

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まとめ

コウモリは鳥獣保護管理法によって保護されている重要な生物であり、自然な害虫駆除役としても活躍しています。そのため、家や建物に侵入しても、殺傷や無許可での捕獲は避けるべきです。適切な対処法としては、コウモリが自然に出て行くのを待つか、専門業者に依頼することを検討してみてください。