ハクビシンから人に感染する病気の種類|見かけたときの対処法

自宅周辺でハクビシンを見かけたことがある方は、病気や感染症などについて気になるのではないでしょうか。野生のハクビシンは多くの病原菌を保有し、感染症を発症するリスクがあるため、適切な対処法を知っておくと安心です。 この記事では、ハクビシンから人に感染する病気や、ハクビシンを見かけた時の対処法を解説します。


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ハクビシンが近くにいたら注意すべき病気

ハクビシンが近くにいると、さまざまな病気に感染するリスクがあります。それぞれの病気について解説しますので、理解を深めていきましょう。

ノミやダニによるアレルギー

ハクビシンには、ノミやダニなどの寄生虫が多くついています。ハクビシンが天井裏や屋根裏に棲み着くと、室内にノミやダニが落ちて増殖し、人間やペットが刺されるおそれがあります。ハクビシンの糞尿が、ノミやダニの発生源となるケースも見られます。

さらに、ノミやダニの死骸・糞尿がハウスダストとなり、それを吸い込むことでアレルギーを発症するリスクもあるのです。アレルギーは、人間だけでなくペットにも症状が出る可能性があるため、注意が必要です。アレルギーの症状として見られるのは、咳・くしゃみ・鼻水・目のかゆみなどがあります。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

ハクビシンの体表に生息するマダニがSFTSウイルスを持っていると、マダニに噛まれることで感染リスクがある病気です。6~14日間の潜伏期間の後、発熱や消化器症状(腹痛・嘔吐・食欲低下・下痢など)が見られ、致死率は10%から30%程度とされています。

SFTSへの感染を防ぐには、マダニに噛まれたら早急に皮膚科を受診することが重要です。自分でマダニを取ろうとすると、マダニの一部が体内に残る可能性があります。

疥癬 (かいせん)

疥癬とは、ヒゼンダニというダニが原因で発生する皮膚病です。ヒゼンダニはハクビシンの毛に付着しており、ヒゼンダニから人間、もしくは、ヒゼンダニが付着した衣類やリネンなどから感染します。

疥癬には、通常疥癬と角化型疥癬(ノルウェー疥癬)があります。感染すると、胸部・腹部・太ももの内側などに激しいかゆみが起こります。特に、夜間に激しいかゆみを感じる方も多いです。通常疥癬は、人同士の短時間の接触ではほとんど感染しません。一方で角化型疥癬は感染力が強く、短時間の接触でも感染することがあります。

感染の拡大を防ぐには、まず皮膚科で正しい診断を受け、すぐに治療を受けましょう。通常疥癬よりも角化型疥癬のほうが感染力が強いため、衣類やシーツの洗濯および室内・寝具・マットなどの掃除を徹底しましょう。

食中毒

ハクビシンは、体内に多数の菌を保有しています。これらの菌が人間の口から体内に入ると、食中毒を引き起こす恐れがあります。

食中毒の原因となる病原菌は、サルモネラ菌・カンピロバクター菌・エルシニア菌などが一例です。サルモネラ菌は広く生息している細菌ですが、ハクビシンの糞から感染するケースも多いです。サルモネラ菌に感染すると、高熱が出たり下痢・嘔吐・発熱などの症状が見られたりします。

カンピロバクター菌に感染しても、同じように・発熱・下痢・嘔吐・頭痛・腹痛などの症状が出て、回復しても再発のリスクがあります。ハクビシンとの接触のほか、カンピロバクター菌に汚染された食べ物や飲み物などからも感染します。

エルシニア菌も、ハクビシンやその糞などとの接触で感染します。低温細菌の特徴を持ち、0℃から4℃の環境でも発育できます。エルシニア菌に感染すると、最も多く見られる症状が腹痛です。

上記で紹介した食中毒の症状が出なかったとしても、人から人へ菌が感染する場合があるため、十分注意が必要です。

狂犬病

狂犬病ウイルスを保持した野生動物に噛まれると、傷口などから感染し、狂犬病を発症します。現在日本は狂犬病清浄地域と呼ばれ、狂犬病の発生はありませんが、海外では多くの感染事例が報告されています。実際に、日本人が海外旅行中に犬に噛まれ、帰国後に狂犬病を発症し、亡くなった事例もあります。ハクビシンも狂犬病ウイルスに感染する可能性があるため、十分注意しなくてはなりません。

狂犬病に感染したときに見られる症状は、発熱・頭痛・嘔吐・筋肉の緊張・痙攣などです。狂犬病は致死率が非常に高く、罹患した際の治療法も確立されていません。予防策として、ハクビシンを含む野生動物に近づかないことが大切です。

重症急性呼吸器症候群(SARS)

ハクビシンは、2002年から2003年にかけて中国から世界中に広まったSARSの感染源になったのではないかという説があります。日本では、ハクビシンを感染源とするSARSの感染疑い例や可能性例は全て否定されましたが、海外では多くの感染者が発生しました。

SARSの潜伏期間は2日間から7日間であり、感染すると発熱や筋肉痛などインフルエンザに似た症状が見られます。重症の場合、死に至ることもあり、とても危険な伝染病です。

SARSの感染源がハクビシンであったのか、確実な研究結果は出ていません。しかし、ハクビシンはSARS以外にも、レクトスピラ症・トキソプラズマ・E型肝炎などさまざまな病気を媒介すると言われています。

イヌジステンパー

イヌジステンパーとは、イヌ科・イタチ科・アライグマ科などの動物が感染するウイルスです。人間が感染するはしかウイルスに似ており、野生動物の間で感染が広がっています。ハクビシンから犬へ感染する可能性もありますが、犬にワクチン接種を行うことで感染予防が可能です。

イヌジステンパーが喉や鼻から体内へ侵入すると、下痢・嘔吐・発熱・血便・結膜炎・衰弱などの症状が見られます。なお、人への感染は少ないウイルスです。

ハクビシンが原因の病気を防ぐためにできること

ハクビシンが原因の病気を防ぐには、私たちができる対策を心得ておくことが大切です。すぐにできる予防策を3つご紹介します。

ハクビシンが好むものを家のそばに放置しない

ハクビシンは雑食動物であり、果物・ペットフード・生ゴミなど食べられるものは何でも手を出してしまいます。家庭菜園などで野菜や果物を育てていると、ハクビシンが手を出すおそれもあるほどです。

ハクビシンは、食べ物が置いてある場所を覚えることで家に寄り付いてしまうため、家の外に食べ物を放置しないことが大切です。ハクビシンは夜行性であり、生ゴミを夜に家の外に出しておくのもやめましょう。家庭菜園や畑には柵などで対策を取るとともに、収穫時期を迎えたら早めに収穫を済ませましょう。

定期的に庭木を剪定する

ハクビシンはジャコウネコ科の仲間であり、木登りがとても得意です。この能力を使って、庭木から家の屋根や屋根裏などに侵入するケースも見られます。特に、家の屋根と枝がすぐ近くにあると危険です。

ハクビシンの侵入を防ぐには、庭木を定期的に剪定することが対策のひとつです。庭木から家に入れなくなるよう、しっかりと対策しましょう。

忌避剤で追い払う

忌避剤を使って、ハクビシンが嫌がる臭いなどを出すと、ハクビシンが寄り付かなくなる効果が期待できます。忌避剤はホームセンターなどで購入可能です。

ただし、忌避剤はハクビシンが慣れているケースもあり、全く効かないことも少なくありません。

駆除する

ハクビシンが自宅に住みついてしまった場合は、早急な駆除が必要ですが、自己判断による駆除は危険です。理由は主に2つ挙げられます。

1つ目は、先述した感染病の観点から、自力で駆除すると直接的な接触、または糞尿に触れる危険性があるためです。

2つ目は、法律が関係しています。ハクビシンは、鳥獣保護法「長寿の保護及び終了の適正化に関する法律」によって保護されており、捕獲するには自治体の許可が必要です。このため、ハクビシンの捕獲・駆除は、許可を持っている害獣駆除の専門業者に相談・依頼するのがおすすめです。

まとめ

自宅近辺で見かけるハクビシンの駆除を検討されている方は、害獣駆除の専門業者である「がいじゅうZERO」までご相談ください。相談・見積もり・駆除まで、すべて害獣駆除のプロである自社スタッフで対応しています。

再発防止策も徹底しており、最長10年間の保証がついているため、駆除作業後も安心できます。メールやLINEからもご相談いただけますので、まずはご連絡ください。