イタチが媒介する病気の種類と危険性|見つけても絶対に近づかないで

自宅周辺でイタチが目撃されている場合には、病気を媒介しないかどうか不安になるでしょう。野生動物は病気を持っていることがあり、人間に感染する可能性もあります。イタチがどんな病気を持っているのか把握したうえで、リスクに備えたいところです。 本記事ではイタチが媒介する病気についてご紹介するほか、感染しないための対策方法についても解説していきます。


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イタチが持っている病気

イタチを含めて、野生動物は人間に感染する病原菌を持っているおそれがあります。非常に恐ろしい病気を持っている可能性もあるため、十分に注意しなければなりません。では、イタチが媒介しうる代表的な病気の種類とその危険性について説明していきます。

食中毒

イタチはサルモネラ菌やカンピロバクター菌などを保有しており、これらの菌が人間の体内に入ると食中毒の原因になります。腹痛・下痢・嘔吐などが代表的な症状です。

イタチに直接触れていなくても、油断はできません。イタチが徘徊している畑などの作物を介して、菌が体内に入る可能性があります。

イタチが原因の食中毒を予防するためには、手洗いを徹底することが大切です。また、畑で収穫した作物を使用して調理するときには、十分に加熱しましょう。

狂犬病

狂犬病は哺乳類全般に感染する病気で、アジアでは犬から感染するケースが多いです。1950年代までは、日本でも蔓延していました。現在では犬の登録や予防注射などが義務付けられているため、国内で狂犬病の発生は確認されていません。

しかし、イタチを含む野生動物は狂犬病ウイルスを保有している可能性があります。もし、狂犬病ウイルスを保有している野生動物から噛まれるなどすると、唾液が傷口から入り感染するため十分注意しましょう。

狂犬病は非常に恐ろしい病気で、現代においても治療法が確立されていません。発症後の症状としては、強烈な発熱・頭痛・嘔吐・筋肉の緊張・痙攣などが挙げられます。致死率が非常に高く、いったん発症してしまうとほぼ助かりません。

そのため、イタチを含む野生動物には、むやみに近づかないようにしましょう。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

重症熱性血小板減少症候群はSFTSウイルスを保有する「マダニ」に噛まれると感染する病気です。2011年に中国で確認され、2012年以降は日本でも被害が拡大しています。発生源は海外から日本に持ち込まれた「チョウセンイタチ」です。

主な症状は発熱や消化器症状などが挙げられます。致死率は10~30%とやや高めです。マダニは草むらに生息しているため、草むらで作業をするときには長袖など肌を露出しない服装で行いましょう

レプトスピラ症(ワイル病)

レプトスピラ症は「人獣共通感染症」で、人間・家畜・ペットに共通して感染します。主な症状は、横断・出血・腎障害などです。症状が重い場合にはワイル病と呼ばれることもあります。

主に食べ物や水などにレプトスピラ菌が混入していて感染するケースが多いです。イタチが近くにいる環境では、イタチの排泄物から水や土を経由してレプトスピラ菌が人体に侵入する可能性があります。

鼠咬症

鼠咬症はネズミに噛まれた場合に感染する病気ですが、ネズミを捕食する野生動物に噛まれた場合にも感染します。イタチもネズミを捕食するため、イタチが自宅付近にいる場合には注意が必要です。

また、鼠咬症は原因となる菌により「レンサ桿菌型」と「らせん菌型」の2種類に大別できます。

「レンサ桿菌型」はストレプトバチルス・モニリフォルミスという細菌が原因の場合です。「らせん菌型」はスピリルム・マイナスという細菌が原因で感染します。

いずれも症状は、39度程度の発熱・頭痛・寒気・震えなどです。

重症急性呼吸器症候群(SARS)

重症急性呼吸器症候群は2003年に中国で発見され、その後日本にも広まった感染症です。SARSコロナウイルスが原因で感染し、発熱や筋肉痛など、インフルエンザに似た症状が現れます。重症化すると死亡するケースもあるため注意が必要です。

SARSコロナウイルスは主に野生動物が保有していますが、イタチも類似したウイルスを保有している可能性があります。

ペスト

ペストは主にネズミが保有しているペスト菌が原因で感染する病気です。イタチはネズミを捕食するため、イタチもペスト菌を保有している可能性があります。

また、ネズミやイタチと接触していなくても、ノミを介した感染に注意が必要です。ペスト菌を保有するイタチの血を吸ったノミが人間を刺すこともあります。その場合に、ペスト菌が体内に侵入し感染する可能性があります。

また、日本では1926年以降はペストの感染例はありません。しかし、海外では現在でも感染例があるため油断はできません。

ダニアレルギー

イタチの体表にはダニが付着しています。自宅内にイタチが侵入して棲み着いていると、ダニが増えてしまう可能性が高いです。

ダニが増えると死骸や糞なども増えて、空気中を舞うこともあるでしょう。そうなると、気づかないうちに吸い込んでしまい、アレルギーを発症する可能性も出てきます。

ダニの種類がマダ二の場合には、前述の「SFTS」の感染リスクもあるでしょう。

イタチから病気をもらわないためにできる対策

イタチによる健康被害を防止するためには、次のような対策が必要です。

絶対に近づかない

病原菌を保有している野生動物に直接触れることで、感染リスクが高まります。そのため、イタチを含む野生動物を見かけても、近づいたり触ったりしないように徹底しましょう。

特に噛まれたり引っかかれたりしないように注意が必要です。傷口から菌やウイルスが入り込む可能性があります。

また、手洗いを徹底するなどの一般的な感染予防対策も大切です。

追い払う

イタチが自宅内に侵入したり棲み着いたりしている場合には、追い払うようにしましょう。忌避剤や燻煙剤などを活用すると、追い払える場合があります。

ただし、忌避剤だけだとあまり効果が期待できません。まったく効果が出ないことも多いです。

また、イタチは鳥獣保護法が適用される動物です。追い払うだけであれば問題ありませんが、自己判断で「駆除」をしてはいけません。もし、自己判断でイタチを「駆除」したり傷つけたりすると、罰則が適用されることもあるため注意しましょう。

「駆除」を希望するのであれば、お住まいの地域の害獣駆除業者に相談するのが確実です。

侵入経路を塞ぐ

イタチをうまく追い払えたとしても、後からまた侵入されてしまう可能性があります。そのため、追い払うのに加えて再侵入防止の対策も重要です。

例えば、侵入経路を金網などで頑丈に塞いでおくと良いでしょう。ただし、イタチは3cm程度の小さな隙間があると侵入できてしまうため注意が必要です。金網で塞ぐなら、3cmよりも目の細かいものを使用しましょう。

また、侵入経路を特定する必要があります。例えば、屋根の上や軒下などから侵入しているケースが多いです。1ヶ所だけでなく複数ヶ所から侵入している可能性もあります。

まとめ

イタチは、見た目は特に害がなさそうにみえますが、多くの病原菌やウイルスなどを保有している場合があります。触れたり噛まれたりすると感染する可能性があるため、むやみに近づかないようにしましょう。

イタチが自宅に侵入している場合には、追い出して侵入経路を塞ぐなどの対策が必要です。ただ、一般の人が自分で行うのは難しいかもしれません。

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