ネズミに噛まれたら要注意!考えられる疾患・感染症
ネズミに噛まれた場合は軽視してはいけません。ネズミはさまざまな病原菌を保有しています。これらの病原菌は小さな傷口からでも体内に侵入し、深刻な健康被害を引き起こす可能性があります。
ここでは、ネズミに噛まれることで感染する可能性のある主な疾患について、詳しく解説します。
アナフィラキシーショック
アナフィラキシーショックは、ネズミが媒介する感染症や、ネズミの唾液に含まれるアレルゲンによって引き起こされる、極めて危険なアレルギー反応です。原因となるのは、鼠咬症スピリルムやモニリホルムレンサ桿菌などの細菌、さらにはネズミの唾液に含まれる異物です。
症状は非常に多岐にわたり、多くは、皮膚の発赤やかゆみ、蕁麻疹といった皮膚症状から始まります。その後、息切れや喉の腫れなどの呼吸器症状、さらには血圧の急激な低下といった循環器系の症状が現れます。これらの症状は急速に進行し、適切な治療を受けなければ生命に関わる危険性もあるのです。
サルモネラ菌による消化器系疾患
サルモネラ菌は、ネズミの体表面や排泄物に常在している細菌です。ネズミに噛まれることで、この菌が傷口から侵入し、消化器系に影響を与えます。
感染してから症状が現れるまでの潜伏期間は8時間から2日間程度と比較的短く、主な症状として激しい下痢や腹痛、発熱などが現れます。これらの症状は数日間続くことが多く、脱水症状を併発する危険性もあるため、早期の医療機関受診が必要です。
E型肝炎
E型肝炎は、ネズミが保有するヘパティティスEウイルス(HEV)によって引き起こされるウイルス性肝炎です。このウイルスは主に経口感染しますが、ネズミに噛まれた際にも感染のリスクがあります。
主な症状として、発熱や腹痛、吐き気などが現れ、病気が進行すると黄疸といった肝機能障害を示す症状が現れます。特に妊婦の方が感染した場合、重篤化しやすいという特徴があるため、注意が必要です。
鼠咬症(そこうしょう)
鼠咬症は、文字通りネズミに噛まれることで発症する感染症です。噛まれた傷口から「スピリルム」や「ストレプトバチルス」という病原菌が体内に侵入し、全身に広がることで発症します。
症状は発熱や頭痛、筋肉痛、関節痛など全身症状が中心となり、リンパ節の腫れも特徴的です。適切な抗生物質治療を受けなければ、症状が長期間続く可能性があります。
腸チフス
腸チフスの原因となるのは、サルモネラ属の細菌であるチフス菌です。この菌もネズミの体表や排泄物を通じて運ばれてくる可能性があり、噛まれることで感染するリスクがあります。
症状は高熱から始まり、頭痛や腹痛、下痢、吐き気、食欲不振などが続きます。治療が遅れると重篤化する可能性があるため、早期の診断と治療が重要です。
ツツガムシ病
ツツガムシ病は、リケッチアと呼ばれる微生物によって引き起こされる感染症です。ネズミはこのリケッチアを保有している可能性があり、噛まれることで感染のリスクがあります。
主な症状として発熱や頭痛、筋肉痛、関節痛などの全身症状に加え、特徴的な発疹が現れることがあります。適切な抗生物質治療により改善しますが、診断が遅れると重篤化する場合があります。
レプトスピラ症
レプトスピラ症は、レプトスピラ属の細菌によって引き起こされる人獣共通感染症です。ネズミはこの細菌の重要な保有動物として知られています。
症状は高熱や頭痛、筋肉痛、関節痛といった全身症状から始まり、病気が進行すると吐き気や嘔吐、さらには黄疸などの肝機能障害を示す症状が現れます。重症化すると腎不全や出血傾向を示すこともあります。
ハンタウイルス肺症候群
ハンタウイルス肺症候群は、ハンタウイルスが人間の体内に入ることで発症する重篤な感染症です。初期症状として頭痛や悪寒、吐き気、下痢、腹痛などが現れ、病気が進行すると肺炎から呼吸困難に陥る可能性があります。
日本では報告例は少ないものの、海外では致死率の高い感染症として知られているため、注意が必要です。
腎症候性出血熱
腎症候性出血熱もハンタウイルスによって引き起こされる感染症のひとつです。症状として発熱や上気道炎症状から始まり、病気が進行すると血尿や低血圧、ショック症状、さらには腎不全といった重篤な症状が現れます。
早期の診断と適切な治療により予後の改善が期待できますが、重症例では生命に関わる場合もあります。
ネズミに噛まれたときの応急処置
ネズミに噛まれてしまった場合、たとえ小さな傷であっても、また目に見える傷がないからといって放置は絶対に禁物です。適切な応急処置を行うことで、感染症のリスクを大幅に軽減できます。
次に示す手順に従って、迅速かつ適切な対処が重要です。パニックにならず、冷静に対応することで、深刻な合併症を防ぐことができます。
流水と石鹸で洗う
ネズミに噛まれたら、まず何よりも優先すべきは傷口を清潔にすることです。すぐに流水で傷口を洗い流し、石鹸を使ってよく洗浄してください。この際、単に水で流すだけでなく、石鹸の泡立ちを利用して丁寧に洗うことが重要です。
また、噛まれた傷口以外にもネズミに触れた箇所があれば、同様に石鹸と流水で洗浄することを忘れずに行ってください。
傷口を消毒する
洗浄が完了したら、次に傷口の消毒を行います。医療用のエタノールや市販の消毒液を使用して、傷口とその周辺を丁寧に消毒してください。消毒の際は、清潔なガーゼやコットンを使用し、傷口から外側に向かって拭き取るようにします。
出血がある場合は、消毒後に清潔なガーゼやハンカチ、布などで傷口を保護し、適度な圧迫を加えて止血を図ってください。ただし、強く圧迫しすぎないよう注意が必要です。
医療機関で診てもらう
応急処置を施した後は、できるだけ早く医療機関で診察を受けることが重要です。自己判断せず、専門医による適切な診断と治療で感染症の発症を予防できます。
受診する診療科は、一般的には外科や皮膚科が適切ですが、緊急性がある場合は救急外来を受診することをおすすめします。受診時には、いつ、どのような状況でネズミに噛まれたかを詳しく説明し、適切な治療を受けてください。
ネズミに噛まれないようにするための方法
ネズミに噛まれるリスクを根本的に解決するためには、家からネズミを完全に駆除するのが最も効果的です。一度ネズミが棲み着いてしまうと、繁殖力が旺盛なネズミは短期間で個体数が増加し、噛まれる危険性も高まります。
ここでは、自分でできる駆除方法から専門業者に依頼する場合まで、幅広い選択肢を紹介します。
ネズミの駆除方法については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
【ネズミ駆除】自力で行う5つの方法を紹介。業者に依頼すべきケースとは?
殺鼠剤や忌避剤などで駆除する
自分でネズミ駆除を行う場合、いくつかの方法があります。
まず忌避剤を使用する方法があり、これはネズミが嫌がる臭いや成分を利用してネズミを遠ざける方法です。
より確実性を求める場合は、殺鼠剤(毒餌)を設置する方法があります。ただし、ペットや小さなお子様がいる家庭では取り扱いに十分注意が必要です。
その他にも、超音波や電磁波を利用してネズミを追い払う機器や、粘着板やネズミ捕獲器を使用して物理的に捕獲する方法もあります。これらの方法を組み合わせることで、より効果的な駆除が期待できます。
ネズミの再侵入を防ぐ
駆除と同時に重要なのが、ネズミの再侵入を防ぐことです。ネズミは非常に小さな隙間からでも侵入できるため、侵入経路を特定し、しっかりと塞ぐことが必要です。
効果的な侵入防止材料として、パンチングメタルや亀甲網などの金属製のものを使用することをおすすめします。これらの材料は、ネズミがかじっても破損しにくく、長期間にわたって侵入を防ぐことができます。
ネズミが棲み着きにくい環境をつくる
ネズミを寄せ付けないためには、彼らにとって魅力的でない環境をつくることが重要です。まず、生ゴミはフタ付きのゴミ箱に入れ、ネズミが食べ物にアクセスできないようにしてください。
また、食品を出したままにせず、使った食器はすぐに洗うことを心がけてください。さらに、ネズミの巣の材料となる新聞紙や段ボール箱、割り箸、ティッシュペーパー、タオルなども整理整頓し、ネズミが巣作りに利用できないよう注意してください。
専門業者に依頼する
自分での駆除に限界を感じた場合や、確実にネズミを駆除したい場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。プロなら確実に駆除対応してくれるため、安心して任せることができます。
ネズミ駆除なら「がいじゅうZERO」にお任せください。ご相談から調査見積り、駆除作業まで、仲介業者を挟むことなく自社スタッフで対応しているため、スピーディーな駆除が可能です。
施工後は消毒・修繕・清掃も徹底的に行っております。最長10年間の保証付きですので、ぜひご検討ください。
まとめ
ネズミに噛まれると、アナフィラキシーショックやサルモネラ菌感染、E型肝炎など重篤な感染症を引き起こす可能性があります。噛まれた際は傷口を流水と石鹸で洗浄し、消毒を行った後、必ず医療機関を受診してください。
根本的な解決には専門業者によるネズミ駆除が効果的です。安全で快適な住環境を取り戻すために、今すぐ適切な対策を始めましょう。
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