アライグマも主な行動パターン
自宅に棲み着いた害獣がアライグマかどうかを判断するには、アライグマの生態を理解しておく必要があります。まずは、アライグマの主な行動パターンについてみていきましょう。
夜間に活動することが多い
アライグマは夜行性の動物なので、主に夜間に活動します。昼間に行動しないわけではありませんが、餌を探し始めるのは暗くなってからです。
そして明け方になると、複数のねぐらから今日寝る場所を探して眠りにつきます。睡眠時間は12~14時間ほどです。
餌を求めて行動する
アライグマが民家の周辺をウロウロするのは餌を探すためです。雑食性なので野菜や果物、穀物、魚、甲殻類や昆虫などさまざまものを食べます。
特にトウモロコシやスイカ、メロンなどを好むので、これらの農作物が食い荒らされていたら周辺にアライグマが棲み着いているかもしれません。
モフモフとした丸いフォルムからは想像できないほど身体能力が高く、木登りや泳ぎが得意なので行動範囲は広めです。ただし、餌になるものが豊富な環境だと行動範囲が狭くなります。
河川やため池周辺などの水辺を好みますが、民家の場合は床下や屋根裏などの人目に付きにくい場所に棲み着きます。子育て中は群れで行動するので、複数匹で集まっているところを見かけることもあるでしょう。
アライグマがいることによる危険性
愛らしい見た目のアライグマですが、実は人間にとっては非常に危険な動物であり、棲み着かれたまま放置するとさまざまトラブルが発生する可能性があります。ここでは、アライグマがいることによる危険性について解説します。
【危険その1】狂暴な性格
アライグマは非常に凶暴で攻撃的な性格をしています。人間にも襲い掛かってくるので、アライグマを見かけても安易に近づかないようにしましょう。
そもそもアライグマは北米原産の動物ですが、かわいらしい見た目とアニメの影響によって人気が急上昇し、ペットとして輸入されました(現在は飼育禁止)。
しかし、その凶暴性から飼いきれなくなって捨てられたり、飼い主のもとから逃げ出したりして野生化してしまったのです。アライグマは繁殖力が高いため、どんどん個体数を増やしており、現在では日本のほぼ全域で見かけられるようになっています。
通常時でも凶暴なアライグマですが、特に繁殖期は気性の荒さが増すため、繁殖期である1月~5月の間は絶対に近づいてはいけません。
【危険その2】感染症リスク
アライグマは凶暴なだけでなく、さまざまな感染症を媒介するリスクもあります。詳しくみていきましょう。
狂犬病
狂犬病とは、狂犬病ウイルスが原因で発症する病気です。狂犬病ウイルスを保有する動物から襲われ、傷口からウイルスが侵入することで感染します。
名称に「犬」が入っているため、犬から感染する病気だと思っている方もいるかもしれません。しかし、猫やアライグマ、コウモリなどにも狂犬病ウイルスを保有している個体がおり、北米ではアライグマを介した狂犬病が見つかっています。
2024年現在、狂犬病に対する有効な治療法はなく、発症した場合の致死率は100%とほぼ確実に死に至るといわれています。
出典:NIID 国立感染症研究所「狂犬病とは」
アライグマ回虫症
アライグマ回虫症は、多くのアライグマが保有しているアライグマ回虫に寄生されることで発症する病気です。
アライグマ回虫に寄生されているアライグマのフンには数百万の回虫の卵が含まれており、フンで汚染された土壌や農作物などから人間に感染します。
アライグマ回虫症を発症した場合、重度の脳障害や視覚障害などが起こるおそれがあります。また、狂犬病ほどではないものの、重症化した場合の致死率は50%と高く大変危険です。
出典:
NIID 国立感染症研究所「アライグマ回虫による幼虫移行症とは」
日本獣医師会「輸入寄生虫病 —マラリアと人獣共通寄生虫症を中心に考える—」
レプトスピラ症
レプトスピラ症は、病原性レプトスピラという細菌に感染して発症する病気です。アライグマやネズミなどの尿にレプトスピラが含まれており、尿に汚染された土壌や農作物などから人間に感染します。
レプトスピラ症の症状は風邪に似ており、多くの場合適切に治療すれば軽症のまま治るケースも少なくありません。
しかし、なかには重症化して出血や腎障害などを引き起こす例もあり、治療が遅れると20~30%の確率で死に至ります。
出典:
NIID 国立感染症研究所「レプトスピラ症とは」
日本感染症学会「レプトスピラ症」
ダニ・ノミの寄生
アライグマをはじめとする野生動物にはダニ・ノミが寄生していることが多く、棲み着かれると家中にダニ・ノミが広がる可能性があります。
家中にダニ・ノミが広がれば、人間はもとよりペットにも被害が及ぶ場合があるので徹底的に駆除しなくてはなりません。
また、ダニ・ノミを介してSFTS(重症熱性血小板減少症候群)などの病気に感染するおそれもあります。SFTSを発症すると発熱や頭痛、腹痛などさまざま症状が出るだけでなく、重症化した場合は10%の確率で死に至ります。
出典:厚生労働省 関西空港検疫所「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」
アライグマの被害を予防する方法
アライグマによるさまざまな被害を予防するには、そもそもアライグマに棲み着かれないようにすることが重要です。どうすればアライグマの侵入を防げるのか、具体的な方法を紹介します。
【対策その1】侵入経路を塞ぐ
アライグマの侵入を防止するには、侵入経路を物理的に塞ぐのが有効です。しかし、アライグマは10cm程度の穴でも通り抜け可能で、外壁の換気口や戸袋の隙間、床下の通気口などから簡単に入り込んできます。
また、傷んだ壁や床材を食いちぎったり、庭木を伝ったりして入り込んでくる場合もあるので、家中の穴や隙間を塞いで傷んだ建材を張り替え、庭木を剪定しなくてはなりません。素人が対処するのは難しいので、業者に依頼することを検討しましょう。
【対策その2】餌になるものを置かない
アライグマは餌を求めて現れるので、自宅周辺に餌になるものを置かないようにしましょう。例えば生ゴミを外に出しておくのは避けて、ゴミの回収時間に合わせて速やかに処分します。ペットの餌も屋内に片づけておきましょう。
また、熟した農作物はすぐに収穫し、餌場だと認識されないようにすることも大切です。プランターで育てているなら、できるだけ夜は屋内に入れるようにしましょう。
屋内に入れるのが難しい場合は、柵を設置するなどしてアライグマが農作物に近づけないようにするのが効果的です。
【対策その3】アライグマの嫌いなものを使う
アライグマが嫌いなものを使って、家の周辺に近づかないようにするのもおすすめです。
アライグマは嗅覚が鋭いので、アライグマが嫌うニオイの忌避剤や燻煙剤、蚊取り線香などを使ってみましょう。また、聴覚も優れているので、超音波を流すのも有効です。
ただし、忌避剤や燻煙剤は風通しの良い場所には不向きなうえに、効果が長続きしないので定期的に交換する必要があります。超音波を使う場合は子どもやペット、近隣住民への配慮が必要です。
さらにアライグマがニオイや音に慣れてしまい、まったく効果が出なくなる場合もあるので、あくまでも一時的な対処であることを理解しておきましょう。アライグマを追い出す方法については、下記の記事でも詳しく解説しています。
「アライグマ追い出す方法は?予防法も解説」
アライグマの被害に困っているならプロにお任せ!
特定外来生物であるアライグマですが、鳥獣保護法で守られているので勝手に捕獲・駆除ができません。捕獲・駆除するには狩猟免許と捕獲許可が必要です。
そのため、個人でできる対策は「追い出し」しかないのですが、市販のグッズは効果が長続きしにくく、侵入経路を塞ぐ作業も素人が行うのは大変です。作業中にアライグマに襲われるリスクもあるので、プロの駆除業者に対処を任せてしまいましょう。
アライグマの駆除なら「がいじゅうZERO」にお任せください。相談→調査・見積もり→駆除まで、外部業者を挟むことなく自社スタッフがワンストップで対応するため、アライグマをスピーディーに駆除できます。
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まとめ
アライグマは餌を求めて民家に現れます。そのまま棲み着かれてしまうと、アライグマに襲われたり病原菌に感染したりするおそれがあるので、早めに対処しましょう。
とはいっても、慣れていない人がアライグマ被害に対処するのは大変です。無理をせずにプロの業者に依頼することを検討しましょう。