【害獣】イタチとテンの違いと見分け方は?被害の解説

イタチとテンは、非常によく似ている動物です。家の近所でイタチのような姿を見かけることが増えて、被害が出る前に対処法を検討している方もいるのではないでしょうか。今回は、イタチとテンの違いや、その見分け方、また、被害や駆除について紹介します。


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イタチとテンってどんな動物?

イタチとテンは、どちらも細長い姿をしているため、同じ動物と思われる方もいますが、それぞれ特徴が異なる別の種類です。まずは、イタチとテンの特徴を知っておきましょう。

イタチの特徴

イタチは、かわいらしい見た目とは裏腹に、攻撃的で凶暴な性格の肉食動物です。フェレットのようには人に懐かず、ペットには向きません。軽い気持ちで近づこうとすると噛まれたり、引っかかれたりして、ケガをするリスクもあります。

危険を感じると、肛門腺から強烈なニオイのする分泌液を放出し、相手を威嚇するのも特徴です。

また、陸上で生活している動物ですが泳ぎも得意で、1日にメスで2ヘクタール、オスになると5ヘクタール移動できる運動能力を持っています。肉食を好む雑食動物で、果実や野菜も食べるため、畑を荒らすこともあるのです。

日本に生息するイタチには、在来種であるニホンイタチとネズミ駆除を目的に海外から持ち込まれたシベリアイタチが存在します。ニホンイタチは、野山に生息していますが、シベリアイタチは住宅地に棲み着きます。このため、害獣被害に発展するのは、シベリアイタチがほとんどです。

イタチの習性については、下記の記事で詳しく紹介しています。
野生のイタチが住宅街に出没!気をつけたい習性やリスクについて解説

テンの特徴

テンは警戒心が強い動物なので、人間が活動しやすい日中にはほとんど姿を現しません。とはいえ、イタチと同じく攻撃的で凶暴な性格の動物でもあるため、突然現れて引っ搔いたり、噛みついたりするおそれもあります。鋭い牙や爪を持っているため、襲われるとケガにつながります。

基本的にテンは木の穴に生息しているため、木登りが得意です。森林に生息していることが多いですが、木の多い地域では住宅地を棲み家としたテンもいます。木登りのように家の柱や電柱を登り、天井裏に棲み着いて断熱材を荒らします。

雑食性の動物なので、生ゴミやペットフードをはじめ、昆虫やネズミ、鳥、果実など、何でも食べるのも特徴です。鶏舎では、テンがニワトリを襲って食べてしまった報告も少なくありません。

イタチとテンの見分け方

イタチとテンは、見た目が似ているといわれていますが、観察してみるとそれぞれ顔や体格、毛色や足跡が異なります。また、フンや鳴き声からも見分けられるので、具体的な違いを覚えておきましょう。

特徴的な顔の違いは、鼻と口の周りが年中白いイタチに対して、テンは季節によって顔の毛色が変化します。夏は顔が黒っぽくなりますが、冬は白っぽい顔になるのです。テンは換毛期になると黒と白の2色になります。

体格

細長く特徴的な見た目でどちらも似ていると思われる体格ですが、イタチは体長が15~40cmほど、テンの体長は40~55cmほどとイタチよりも大きいのが特徴です。

体長はイタチよりもテンのほうが大きいですが、体重は500gほどイタチのほうが重いといわれています。尻尾の長さは、イタチと比べてテンは長いのが特徴です。

毛色

イタチの毛色は全体的に茶褐色ですが、テンは季節によって毛色が変化するのが特徴です。テンは、夏になると黒っぽい黄褐色の毛色になります。オレンジにこげ茶色が混ざった色と表現されることもあるでしょう。冬になると、全体的に明るい黄褐色に変化します。

夏は毛色で見分けることが簡単ですが、冬になるとイタチの毛色と似ているため間違われることも多いのです。

足跡

イタチもテンも5本指である部分は同じですが、足跡のサイズが異なります。イタチが2~3cmほどなのに対して、テンは少し大きい3~4cmほどの足跡です。

足跡のみで判断するのは難しいですが、家の周りに足跡を見つけた際は、一度よく観察してみましょう。

フン

フンの形は、イタチもテンもとてもよく似ています。どちらも細長い形状のフンをしており、臭腺から分泌液をかけるのでニオイが強いのが特徴です。イタチもテンもフンを溜める習性があるため、同じ場所に何度もフンをします。

イタチのフンは6mm程度なのに対して、テンのフンは10mm程度あります。少しテンのほうが、フンが大きいので、比較的新しいフンであれば判断できるかもしれません。

鳴き声

イタチは、甲高い声で「キッキッ」と鳴きます。テンは、イタチよりも低い声で「フィヤー」と鳴き、威嚇時には「ギュー」と鳴くこともあります。

鳴き声を聞き分け判断するのは少し難しいですが、鳴き声が聞こえたらよく聞いてみてください。

イタチ・テンによる被害

イタチもテンも注意深く観察すると、外見や鳴き声に違いがあります。しかし、困った被害の状況は大変よく似ているのです。ここからは、イタチとテンによる主な被害を紹介します。

悪臭被害

イタチやテンが屋根裏に棲み着くと、当然家の中で排泄をします。同じ場所に繰り返しフンや尿を行うため、屋根裏内には、棲み着いた期間に応じて排泄物が溜まっていくのです。

フンには、肛門の近くにある臭腺から出る強烈なニオイの分泌液をかけるため、蓄積すると屋根裏だけでなく人が住んでいる生活空間にまで悪臭が広がります。

常に生活空間でフンや尿のニオイがするのは、想像以上にストレスです。何もしないでいると、悪臭は広がるばかりなので早急に対処する必要があります。

家屋への被害

イタチやテンは、ためフンをする習性があります。同じ場所に繰り返しフンや尿をすると、屋根裏の床材に染み込み傷んでしまうのです。最悪のケースでは、ためフンにより木材が腐り、天井が落ちてしまうおそれもあります。

また、イタチやテンが屋根裏に棲み着く際には、断熱材を荒らして巣作りを行うこともあります。電線もかじるので、漏電や火災に発展する危険性もあるのです。

健康被害

イタチやテンには、ノミやダニが寄生している可能性が高いです。家屋に棲み着くと、ノミやダニも持ち込むことになるため、人も刺されてしまいます。疥癬(かいせん)と呼ばれる皮膚病の原因になるヒゼンダニを媒介するおそれもあり、人間やペットにも感染するおそれもあるので注意が必要です。

また、イタチやテンは、ノミやダニだけでなく、さまざまな病気を媒介します。イタチによる健康被害については以下の記事にて詳しく解説しているので、ご確認ください。

イタチが媒介する病気の種類と危険性|見つけても絶対に近づかないで

農作物の食害

イタチやテンは、雑食性の動物で何でも食べる習性があります。特にテンは果物を好物としており、農作物として育てている果物を食べてしまう被害も報告されているのです。

また、イタチが鶏舎に侵入し、ニワトリや卵を襲って食べる被害も多く見受けられます。農作物だけでなく、畜産やペットへの被害も深刻です。

イタチとテンの駆除は可能?

イタチもテンも、鳥獣保護法によって守られている動物です。誰でも勝手に駆除や捕獲ができず、行政から許可を得ずに駆除すると法律違反となり罰せられます。

また、狩猟鳥獣に指定されているオスのイタチとテンは、適切な狩猟によって捕獲することが可能です。しかし、狩猟するには狩猟免許を取得したあと、登録を行わなければなりません。

さらに、処分に関しても自分で実施する必要があるため、心理的ハードルが高いのも事実です。

狩猟免許の試験自体は、年に複数回に渡り開催されていますが、試験に合格するための知識習得はもちろん、技能試験もあるため、免許取得まで長い期間を要することもあります。

駆除の許可申請についても、すぐに許可が下りない場合があるため、駆除をすぐに実行することは難しいでしょう。

イタチ被害を防ぐための対処法は、下記の記事で詳しく紹介しています。
イタチを駆除する方法4選を徹底解説!駆除する際の注意点や寄せ付けないための予防策について

イタチとテンを駆除は業者に相談しよう

イタチやテンの害獣駆除を検討しているなら、「がいじゅうZERO」にお任せください。がいじゅうZEROでは、現地調査をするスタッフと駆除するスタッフが同じなため、徹底的な駆除が可能です。

ご相談から調査見積もり、駆除作業まで自社でワンストップ対応しているため、中間業者を介さない分、駆除費用も他社と比べて安くご依頼いただけます。イタチやテンの駆除実績も豊富で、駆除だけでなく清掃や消毒、侵入口の封鎖まで対応しているため、再発防止も徹底できます。イタチやテンを見つけたら、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

イタチやテンは、それぞれ別の害獣ですが、被害の状況は似ています。悪臭被害や家屋への被害、健康被害など、放置してしまえば現状よりも悪化してしまうものばかりなので、早急な駆除が欠かせません。イタチかテンか見分けがつかない場合も、まずは業者に相談することをおすすめします。