コウモリ対策にライトは有効?ライトを使用した対策方法も解説

コウモリ対策として「ライトが効果的」と聞いたことはありませんか?しかし、これには意外な落とし穴があります。 日本の住宅に侵入するアブラコウモリは、光に対して比較的耐性を持っているため、単純にライトを設置するだけでは効果が期待できません。通常のライトは昆虫を集め、結果的にそれを餌とするコウモリをむしろ誘引してしまう可能性もあるのです。 では、コウモリ対策を効果的に行うにはどうすれば良いのでしょうか?今回は、実践的な対策方法を紹介します。コウモリ被害にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。


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コウモリ対策にライトは効果あり?

まず、ライトによるコウモリ対策の効果についてみていきましょう。

効果はあまりない

海外では光に反応してコウモリが寄り付かなくなった事例も報告されていますが、日本の家屋に侵入するコウモリは異なります。日本の住宅に巣を作るのは、主に「アブラコウモリ」のみです。

アブラコウモリは体長約5cmと小柄でありながら、翼を広げると18~24cm程度になります。成獣の体毛は灰色がかった茶色をしています。特徴的なのは、このアブラコウモリが光に対して比較的耐性を持っていることです。そのため、単純にライトを設置するだけでは効果的な対策とはいえません。

むしろコウモリは寄ってくる可能性が大きい

ライトを設置することで、コウモリを誘引してしまう可能性があります。この現象はコウモリの食性と密接に関係しています。

コウモリは主に昆虫を餌としており、ライトの光に集まるハエ、ガ、蚊、コオロギなどの昆虫に引き寄せられるのです。実際、コウモリが棲み着いている場所の近くには、街灯や明るい電灯が設置されていることが多くあります。

つまり、ライトを設置することで餌となる昆虫が集まり、結果的にコウモリを呼び寄せてしまうという逆効果を招く可能性が高いのです。効果的なコウモリ対策を行うためには、侵入経路の特定と物理的な侵入防止策を検討する方が確実といえるでしょう。

ライトを使用してコウモリ対策をするポイン ト

日本の住宅に侵入するアブラコウモリは光に対して一定の耐性があることが知られていますが、ライトを使った対策がまったく無意味というわけではありません。

効果的なライトの選び方や設置のタイミングを理解することで、コウモリ対策の効果を高めることができます。特に光の特性を理解し、適切に活用すれば、自宅のコウモリ対策に役立てることが可能です。

LEDライトを使ったコウモリ対策

コウモリ対策にライトを使用する場合、LEDライトがおすすめです。LEDライトと白熱灯では放出する光の波長が異なっており、虫はLEDライトが放出する光を感じ取りにくい性質があります。そのため、虫がLEDライトに集まりにくく、結果的にコウモリも寄り付きにくくなるという仕組みです。

また、LEDライトには実用面でも大きなメリットがあります。寿命が長く消費電力が少ないため、長期間稼働させても電気代を節約でき、コウモリ対策にかかる費用を抑えることができます。経済的な負担を減らしながら対策を続けられる点は、魅力的です。

さらに、ドイツのライプニッツ動物園野生動物研究所(IZW) による研究では、LEDライト付近でのアブラコウモリの活動が45%減少したという結果を報告しています。これは科学的にもLEDライトがコウモリ対策に一定の効果を持つことを示唆しています。

出典:LEDs Magazine「LED照明がコウモリの活動に影響

対策するなら5月までに行う

コウモリ対策をするなら、タイミングも重要です。コウモリの活動が活発になるのが5月ごろからなので、それまでに対策を完了させておくことをおすすめします。

特に虫が飛び回るようになる春を迎える前の冬場に、住宅周辺の照明をLEDライトに交換しておくと効果的です。これにより、コウモリの餌場が減少し、新たな餌場を求めて移動する可能性が高まります。自宅の周りに定着する前に環境を整えておくことが大切です。

また、コウモリ対策にライトを使用する場合は、「餌となる虫を寄せないLEDライトを使うことで、コウモリをそこに留まらせない」という間接的な方法であることを理解しておくことが大切です。

この特性を踏まえ、最適な時期にゆとりをもって作業を進めることがポイントです。コウモリの姿を見かけ始めてから慌てて対策するよりも、計画的に準備しておくことで効果的に侵入を防げます。

関連記事:【コウモリ】繁殖期の駆除がNGの理由とは?被害に遭う前の対策も紹介

ライトだけでコウモリ対策が難しい場合はどうする?

ライトを使ったコウモリ対策には限界があります。特に日本のアブラコウモリは光への耐性があるため、ライトだけでは完全な対策が難しいケースがほとんどです。

そこで、より確実にコウモリの侵入を防ぐための3つの対策方法を紹介します。

侵入経路を塞ぐ

コウモリ対策の基本は、侵入経路を特定して塞ぐことです。一般的なコウモリの侵入経路には、窓の隙間、ドアの隙間、通気口の隙間、配管の隙間、壁の穴、天井裏の隙間などがあります。

これらの隙間や穴を金網やパンチングメタルなどで封鎖することが効果的です。しかし、実際の作業には注意が必要です。コウモリの侵入経路は住宅の高所にあることが多く、自分で施工しようとすると転落などの危険が伴います。

また、アブラコウモリは非常に体が柔らかく、わずか1~2cmの隙間があれば簡単に侵入できてしまいます。そのため、すべての隙間を完全に埋めるとなると、かなりの労力と時間がかかることを覚悟しておく必要があります。

コウモリの捕獲・処分を行う

侵入経路対策と並行して、すでに棲み着いてしまっている場合、コウモリの捕獲・処分も検討する必要があります。しかし、これを自分で勝手に行うことはできません。

実はコウモリは「鳥獣保護管理法」という法律で保護されており、無断で捕獲したり処分したりすることは禁止されています。違反した場合、1年以下の懲役または、100万円以下の罰金という厳しい罰則が科せられることもあります。

コウモリの駆除を行うには、事前に自治体への許可申請が必要です。法的な手続きを踏まえた上で、適切な方法で対処することが求められます。

コウモリの駆除については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
コウモリは駆除してはいけない!正しい対処法について徹底解説

専門業者に依頼する

コウモリ対策を確実かつ安全に行うためには、害獣駆除の専門業者に依頼するのが、もっとも確実な方法です。門業者は適切な許可を持ち、効果的な対策方法を熟知しています。

がいじゅうZERO」では、相談から調査、見積もり、駆除作業まで、自社にてワンストップで対応します。また、調査と駆除作業を同じスタッフが担当し、状況の把握から対策までを一貫して行うのもポイントです。

さらに、駆除後の清掃・消毒や再発防止対策まで徹底して実施しますので、長期的な解決につながります。外注せずに自社内で完結させることで、抑えたコストで利用していただけます。ぜひお気軽にご相談ください。

まとめ

日本家屋に侵入するアブラコウモリは光に対して耐性があり、単純なライト対策は効果が限定的です。むしろ通常のライトは、昆虫を集めることでコウモリを誘引する可能性もあります。

しかし、LEDライトなら昆虫を寄せ付けにくい波長を持つため、コウモリの餌場を減らす目的での活用はある程度有効といえます。対策は、5月の活動期前に完了させると効果的です。

より確実な対策としては、侵入経路を金網などで塞ぐ方法や、法的手続きを踏まえた専門業者による駆除が有効です。しかし、コウモリは鳥獣保護管理法で守られているため、勝手に駆除したり捕獲したりすることはできません。プロに任せるのが、安心できる手段だといえるでしょう。