ネズミが原因で起こる病気とは?被害を起こさないための対処法

自宅に棲み着いたネズミを放置すると、建物や家具などがかじられて傷むだけでなく、さまざまな病気にかかるリスクがあります。 今回はネズミが媒介する病気や感染症、病気にかからないための対処法などを紹介します。


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ネズミから媒介する病気・感染症

下水溝や床下など、不衛生な場所を移動するネズミの体には、たくさんの菌や汚れなどが付着しています。

また、ネズミ自体が菌やウイルスを保有しているため、ネズミに棲み着かれたり噛まれたりすると、病気にかかるリスクがあるのです。具体的にはどのような病気にかかるリスクがあるのか、下記にて解説します。

鼠咬症

鼠咬症(そこうしょう)とは、ネズミに咬まれることで引き起こされる病気です。ネズミに咬まれ、傷口に細菌が入ることで感染します。

細菌の種類は「レンサ桿菌」と「らせん菌」の2種類で、いずれも感染すると急な発熱・発疹など共通の症状が出ますが、その後症状が重篤化するケースもあります。

・レンサ桿菌に感染した場合の症状:関節痛・嘔吐・頭痛など。心臓に感染すると心内膜炎になり重篤化する可能性がある
・らせん菌に感染した場合:患部の炎症・リンパ節の腫れなど

レンサ桿菌型の鼠咬症にかかった場合、治療せずに放置すると、数日から数ヶ月ほど長期に渡り、関節痛が続いたり発熱を繰り返したりすることがあります。

また、らせん菌型の鼠咬症の場合は、治療せずに放置すると、最長で8週間ほど発熱を繰り返す可能性があります。

アナフィラキシーショック

アナフィラキシーショックとは、複数の症状が急激に進む重度のアレルギー反応のことです。食べ物を食べたりハチに刺されたりしたときだけでなく、ネズミに咬まれた結果、アナフィラキシーショックが起こることもあります。

アナフィラキシーショックが起きた場合に出る症状は、全身の腫れや激しい嘔吐、呼吸困難、意識障害などです。

アドレナリン自己注射薬を持っている場合はすぐに打つ、救急車を呼ぶなど急いで対処しないと、そのまま死に至るおそれもあります。

いったん症状が治っても再発するおそれがあるため、回復したように見えても油断せずに状態を見守ることが重要です。

レプトスピラ症

レプトスピラ症は、病原性レプトスピラを保有するネズミなどの哺乳類の尿が水や泥に混ざり、それらに人間が触れることで経皮感染する病気です。汚染された水や食物を口にしたことが原因で、経口感染するケースもあります。

レプトスピラ症の主な症状は、悪寒・高熱・筋肉痛などです。重症型のワイル病の場合、黄疸・出血・腎障害などの症状が出ることもあります。

主な治療法は抗菌薬の投与ですが、レプトスピラ症は特徴的な症状がなく、初期診断が難しいのが特徴です。早い段階で適切な治療が受けられないと、20~30%の確率で死に至るといわれています。

サルモネラ症

サルモネラ症とは、豚・牛・鶏などの家畜や犬・猫など、さまざまな動物が保有しているサルモネラ菌に感染することで発症する病気です。ネズミの糞尿にもサルモネラ菌が生息しており、ネズミの糞尿が付着した食品を口にすると感染する可能性があります。

サルモネラ症の主な症状は腹痛・下痢・嘔吐などです。症状が軽ければ自然と治りますが、小さな子どもや高齢者は重症化しやすく、髄膜炎を起こしたり生命に危険が及んだりするリスクがあります。

ラッサ熱

ラッサ熱とは、ネズミの一種であるマストミスが持つウイルスに感染することで発症する病気です。マストミスに接触したり、マストミスの糞尿に汚染された食物を食べたりすることで感染します。

ラッサ熱の主な症状は発熱・関節痛・咳・下痢などです。重症化すると顔や首のむくみ・粘膜からの出血・脳症などを起こし、場合によっては死亡することもあります。

また、妊婦が感染した場合は流産・早産・胎内死亡などが起こるリスクがあるため注意が必要です。なお、日本では1987年の輸入例以外でラッサ熱の発症は確認されていません。

ハンタウイルス感染症

ハンタウイルス感染症は、ネズミなどが保有しているハンタウイルスに感染することで発症する病気です。ハンタウイルスをもつ動物に咬まれたり、糞尿に触れたり、糞尿で汚染されたホコリを吸い込んだりすることで感染します。

ハンタウイルス感染症の主な症状は、発熱・頭痛・腹痛・嘔吐・背部痛などです。脱力・めまい・目の充血などの症状が出ることもあります。重症化すると低血圧・尿量の増減・腎機能障害などを起こすことがあり、死に至るリスクがあります。

ネズミに関連する二次的被害による病気

ネズミに寄生しているノミやダニ、シラミなどが原因で起こる、二次的な衛生的被害・病気もあります。

ツツガムシ病

ツツガムシ病とは、ネズミなどに寄生するダニの一種であるツツガムシに刺されて発症する病気です。ツツガムシのなかには病原体をもつ個体がおり、その個体に体液を吸われた場合に感染します。

ツツガムシ病の主な症状は、高熱・頭痛・発疹・全身の倦怠感などです。重症化すると肺炎や脳炎症状が出ることもあり、日本では北海道以外の全国で発生が確認されています。

イエダニによる刺咬症

ネズミの体にはイエダニが寄生していることがあり、そのイエダニに刺されて刺咬症を発症するケースもあります。

ネズミに寄生したイエダニは、通常であればネズミから吸血しますが、ネズミが死にエサがなくなると人間を刺すことがあるのです。そのイエダニに刺されると、かゆみ・発疹などの皮膚炎を発症します。

ネズミから病気をもらわないための対処法

ネズミが媒介する病気のなかには、重篤な症状が出たり死亡したりするリスクがある危険な病気もあります。

自宅などにネズミが棲み着いた場合は、被害が拡大する前に早急に駆除する必要がありますが、その際にネズミ起因の病気を防ぐ対処法を紹介します。

ネズミに直接触らない

ネズミから病気をもらわないためには、ネズミを自力で駆除する際に、直接触らないようにすることが大切です。ネズミの体に病原菌や寄生虫がついていることがあるので、たとえ死骸であっても素手で触ってはいけません。

とはいえ、棲み着いたネズミや死骸を放置すると、建物が傷んだりウジが湧いたりするため、きちんと処理する必要があります。手袋やマスク、ゴーグルなどでガードしつつ駆除や処理を行いましょう。

死骸は新聞紙などで包んでビニール袋で密閉すれば、可燃ゴミとして処理できます。使用した手袋やマスクなども汚染されている可能性が高いので、一緒に密閉して処分しましょう。
また、ネズミの住処や死骸周辺にはノミやダニが湧いていることがあるので、殺虫剤をまいてください。

ネズミの駆除は自力でもできるものの、ネズミは繁殖力が高いため、駆除しきれずに被害が再発する可能性があります。感染症などのリスクもあるので、ネズミの駆除は専門の駆除業者に依頼するのがおすすめです。

糞には触らない

ネズミ本体だけでなく、糞にも直接触らないようにしましょう。ネズミの糞にも病気の原因となる病原菌が存在するためです。

ネズミの糞尿で汚染されたホコリを吸い込むのも避ける必要があるので、掃除する際には手袋やマスク、ゴーグルなどでガードしましょう。

掃除機やほうきなど、ホコリを巻き上げるような道具の使用も避けて、ペーパータオルなどで拭き取ります。

さらに糞があった場所はアルコールで殺菌・消毒し、使用した道具やペーパータオルなどは、すべて密閉して廃棄しましょう。

まとめ

ネズミはさまざまな菌やウイルス、寄生虫を保有しており、直接ネズミや排泄物に触れると病気になる可能性があります。

ネズミに棲み着かれると、建物が傷んだり周囲が汚染されたりする可能性があるため早急に駆除する必要がありますが、直接触らないようにしましょう。

そもそも繁殖力が高いネズミの駆除はむずかしいので、専門知識をもつプロに依頼するのがおすすめです。

九州・東海・関東エリアでのネズミの被害にお困りの方は、ぜひ「がいじゅうZERO」にご相談ください。

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