害獣駆除には資格が必須!狩猟免許の種類や法律・害獣駆除申請を解説

日本には、ネズミをはじめアライグマやイタチ、ハクビシンなど、多くの害獣が生息しています。家屋への棲み着きや田畑や庭を荒らすような害獣被害は、生活の身近に起きているのです。何度も被害に遭われた方であれば、自分で駆除しようと考えるでしょう。しかし、害獣駆除をするためには、「狩猟免許」を取得する必要があります。今回は、狩猟免許の種類や法律、許可申請について詳しく解説します。


この記事は約7分で読み終わります。

害獣駆除の資格「狩猟免許」とは

害獣を捕獲するには、網やわな、銃など、駆除に必要な道具を使用するのが一般的です。素手で捕まえられれば狩猟免許は必要ないのですが、害獣の特性からしてほぼ不可能といえます。まずは、狩猟免許の種類を確認しましょう。

網猟免許

網猟とは、むそう網、はり網、なげ網、つき網を使って狩猟する方法です。主に、カラスをはじめとする鳥獣やうさぎを捕獲する際に使用します。

ただし、はり網での鳥獣捕獲は保護に支障を及ぼすおそれがあるため、禁止されています。はり網での捕獲が認められているのは、ユキウサギとノウサギのみであることを覚えておきましょう。

網猟免許は、18歳以上であれば取得可能な免許です。視力が両目で0.5以上、10mの距離で90dBの警音器の音が聞こえる聴力、四肢の屈伸、挙手を含む手指の運動ができることなど、簡単な適性試験も行われます。知識試験や技能試験に合格後、免許が取得できます。

毎年複数回に渡り網猟免許の試験は実施されていますが、受験日や提出書類は、各都道府県によって異なるため、免許取得前には担当部署に問い合わせて確認しておきましょう。

わな猟免許

わな猟免許を持っていれば、くくりわな、箱わな、箱落とし、囲いわなを使って狩猟できます。農業や林業を生業にしている方が、事業に対する被害を防止する目的で設置する囲いわなに関しては、わな猟免許を所持していなくても設置可能です。

これらのわなを使った狩猟では、主にイノシシやシカ、クマ、サル、カラスなどを捕獲するときに用いられます。箱わなや囲いわなは、餌付けでおびき寄せる危険も生じるため、単独使用せずにくくりわなと併用するのが一般的です。

ただし、わな猟では、同時に31個以上のわなを使用する方法が禁止されているため、禁止猟法をしっかりと理解して使用しましょう。

わな猟免許も18歳以上であれば、取得可能です。知識試験や適正試験のほかにも、わなを捕獲可能な状態に組み立てる技能試験があります。

受験日や提出書類は、各都道府県によって異なるため、担当部署に問い合わせて確認しておきましょう。

第一銃猟免許

第一銃猟免許があれば、装薬銃と空気銃を使って狩猟できます。主にイノシシやクマ、シカなど比較的大きな害獣を狩猟する際に用いられる方法です。

猟銃の使用は、人の命に対しても危害を加えるおそれがあるため、使用できる時間帯や場所なども厳しく制限されています。また、禁止猟法として口径の長さが十番以上の銃は使用できません。

銃猟免許は、網猟免許やわな猟免許とは異なり、20歳以上で取得可能です。知識試験や適性検査、銃の操作も含む技能試験に合格すると免許が取得できます。

ほかの狩猟免許と同じように、受験日や提出書類は、各都道府県によって異なるため、担当部署に確認が必要なほか、銃刀法に基づく所持許可も必須となるため、管轄の警察署にも問い合わせをします。

第二銃猟免許

第二銃猟免許は、空気銃を使って狩猟する際に必要な免許です。空気銃は、主にカラスなどの鳥獣類やイノシシ、シカを狩猟する際に用いられますが、第二銃猟免許で使用できる空気銃にコルクを発射するものは含まれません。また、空気散弾銃を使った狩猟も禁止猟法となっているため、注意が必要です。

第一銃猟免許と同じく、20歳以上であれば取得可能で、知識試験や適性検査、圧縮操作や装填、射撃姿勢も含む技能試験に合格すると免許が取得できます。

受験日や提出書類は、各都道府県によって異なるため、担当部署に確認が必要です。また、第二銃猟免許であっても銃刀法に基づく所持許可が必要なので、管轄の警察署に問い合わせをします。

出典:

環境省「狩猟制度の概要 | 野生鳥獣の保護及び管理

環境省「狩猟免許を取得する|狩猟の魅力まるわかりフォーラム

警視庁「猟銃・空気銃所持許可の申請手続

害獣を許可なく駆除することは禁止されている

害獣は、誰でも許可なく駆除すると罰せられます。害獣駆除に関する法律を知っておきましょう。

鳥獣保護法

鳥獣保護法とは、鳥獣の保護や管理、狩猟の適正化に関する法律です。日本にいる野生動物の保護をはじめ、生態系の調和を維持し、国民生活を確保することを目的としています。

この法律では、主に鳥獣の捕獲に関する規制や鳥獣捕獲等事業の認定、狩猟制度に関係する細かな規定が89条に渡り定められています。

鳥獣保護法は、第39条には「狩猟をしようとする者は狩猟免許を受けなければならない」と定められており、狩猟免許保持者以外が狩猟することを認めていません。

ただし、いえねずみ類3種に定められているドブネズミとハツカネズミ、クマネズミに関しては、鳥獣保護管理法の対象外とされているため、許可なしでも駆除ができます。

出典:e-Gov法令検索「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律

外来生物法

外来生物法とは、海外起源の特定外来生物による生態系に関する被害防止を目的とした法律です。主に人の命や身体、農林水産業にかかる被害を防止することを目的としています。

外来生物法では、特定外来生物の取り扱いに関する規制や防除について、36条に渡り細かく定められています。

外来生物法第10条の2では「外来生物の防除を行う者は、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律、その他の法令の規定を遵守するとともに、住民の安全及び生物の多様性の確保のため適切な方法により防除を行わなければならない。」と定められており、誰でも自由に駆除することを認めていません。

また、防除の実施については、国・都道府県・市町村・民間企業・個人と、防除を実施する主体によって、適切な申請と手続きをする必要があることが定められています。

出典:

e-Gov法令検索「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律

環境省「防除に関する基本的な事項 | 日本の外来種対策 | 外来生物法

【注意】害獣駆除をする際は許可申請が必要!

狩猟免許を取得しただけでは、まだ害獣駆除はできません。狩猟免許取得後は、狩猟を実際に行う都道府県に「狩猟者登録」を申請する必要があります。これは、鳥獣保護法第56条にも記載されているので、必ず守りましょう。

狩猟者登録が完了したら、次は害獣駆除の申請を行い、許可を受けます。鳥獣保護法第9条、鳥獣保護管理法施行規則第7条で定められているように、環境大臣もしくは都道府県知事に申請し、許可が下りると害獣駆除作業が可能になります。

害獣駆除を実施する場所が国指定鳥獣保護区域内の場合は、環境大臣に申請しなければなりません。鳥獣保護区域外での害獣駆除は、基本的に都道府県知事に申請しますが、都道府県によっては、一部の許可を市町村長に移譲していることもあるので、事前に確認しておきましょう。

害獣駆除の申請に必要な書類や方法は、申請する自治体に寄って異なります。事前に詳細を都道府県や市町村に問い合わせておくとスムーズです。

出典:

e-Gov法令検索「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律

環境省「防除に関する基本的な事項 | 日本の外来種対策 | 外来生物法

害獣駆除をするなら業者への依頼がおすすめ

狩猟免許を取得せず、かつ害獣駆除の許可を得ず駆除作業するのは、法律違反になり罰せられます。狩猟免許の取得には、知識の習得も必須となるため時間がかかるので、すぐに害獣駆除を実施したい場合は、業者へ依頼するのがおすすめです。

がいじゅうZERO」では、ネズミやコウモリ、アライグマ、イタチ、ハクビシンなど幅広い害獣駆除に対応できます。

害獣による被害に悩まされている場合は、早急な対処が必要です。害獣を放置すると繁殖し、害獣被害が拡大するおそれがあります。

がいじゅうZERO」では、ご相談から現地調査、見積、実際の駆除作業まで、同じスタッフが一貫して対応するので、スムーズで確実な駆除が可能です。駆除後は再び侵入しないように、入念な予防対策にも対応しています。

害獣駆除をするだけでなく、侵入対策も同時に行いたいのであれば、ぜひ「がいじゅうZERO」にご相談ください。

まとめ

害獣駆除をするには、狩猟免許取得や駆除の申請許可などの資格が必要なため、一般の方からすればハードルが高いです。害獣を放置してしまえば、被害が拡大するおそれもあるため、早急に専門の業者に依頼しましょう。